第100話
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で尋ねた。
「いいえ、水路よりもさらに深い地下から検出されたようです。博士は、いまだ機能を失っていない古代文明の遺物が埋まっているのではないかと仰っていました。」
「古代文明の遺物って……」
「『アーティファクト』と呼ばれる古代導力器のことだね。大半は、塔の頂上の装置みたいに機能が死んでしまっているけど……。まれに、ダルモア市長の家宝のように機能が生きている物もあるみたいだ。」
意味が余りわかっていないエステルにヨシュアは説明した。
「そんなものが王都の地下に……。あ、それじゃああの『ゴスペル』ってのは……」
「埋まった遺物の機能を停止させるために使われる……。その可能性があるということですね?」
「ええ……。ですが、その遺物がどんなもので何のために埋められたものかははっきりしていないのです。ラッセル博士の調査自体も非公式で行われたものですし……。大佐がどこで存在を知ったのかわたくしには不思議でなりません。」
エステルとヨシュアの話に頷いた女王はリシャールがどうやって、機密にしていた情報を知ったのかわからない様子でいた。
「そうですか……。いずれにせよ、良くない事が起こる可能性がありそうですね。」
「まったく、ちょっと見直したのにロクな事を考えていないわね……。みんなに迷惑がかかるんだったらまさしく遊撃士の出番だわ!何とかして大佐を阻止しないと!」
「ふふ……。さすがは……カシウス殿のお子さんたちね。」
エステルの意気込みを見て、女王は上品に笑った。
「!!!」
「陛下も父と面識がおありだったのんですか?」
女王までカシウスを知っている事にエステルは驚き、ヨシュアは尋ねた。
「亡くなった息子の友人でしたし、王国を救った英雄ですからね。軍を辞めて遊撃士になってからも依頼を通じてお世話になりました。」
「そ、そうだったんだ……」
「それは知りませんでした……」
カシウスが亡きリベールの王子の友人、そして女王自らがカシウスに何度か依頼をしていた事にエステルとヨシュアは驚いた。
「ならば、これはわたくしの役目なのかもしれませんね……。エステルさん、ヨシュア殿。少々、年寄りの昔話に付き合っていただけませんか?」
「あ……はい、もちろん!」
「拝聴させていただきます。」
そして女王は昔話しを語り始めた。
「10年前の春のことです……。エレボニアの帝国の南部である痛ましい事件が起こりました。いまだ原因が分かっていないため事件についての説明は省かせてもらいますが……。その事件をきっかけに帝国はリベールに宣戦布告をしたのです。後に『百日戦役』と呼ばれる不幸な日々の始まりでした。帝
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