第99話
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〜グランセル城・女王宮入口前〜
「これはヒルダ夫人……」
「こんな遅い時間に女王陛下に御用ですか?」
女王宮の入口で見張りをしている特務兵達はヒルダの登場に驚き、尋ねた。
「陛下に頼まれていた紅茶と食器類をお持ちしたのです。このような事態になって陛下も何かと不自由なさっていらっしゃるようですからね。」
「これは手厳しい……」
「おや……。見たことのない顔ですが、そちらの侍女さんたちは?」
ヒルダの説明に一人の特務兵は苦笑し、もう一人の特務兵は見慣れないメイド達――エステルとヨシュアに気付いた。
「公爵閣下の命令で補充した新米の侍女見習いです。今日、城に入ったばかりです。」
「ほう……」
「ふーむ。さすがに可憐ですなぁ。」
ヒルダの嘘の説明を信じた特務兵達はエステル達の顔をよく見た。
「ど、どうも……」
「……………………(ペコリ)」
特務兵達に見られた2人は軽くお辞儀をした。
「おや……?なんとなくどこかで見たような……」
(やばっ……!)
一人の特務兵がエステルの顔を見て、首を傾げ、その様子を見たエステルは心の中で慌てた。
「……年頃の娘を、そんな風にジロジロ見るとは何事ですか。もしや、良からぬことを考えているのではないでしょうね?何かあったら、公爵閣下や大佐殿に抗議させてもらいますよ。」
「と、とんでもない!」
「王国軍の精鋭たる我々がそのような事は……」
ヒルダに睨まれ、忠告された特務兵達は慌てて言った。
「ならばよいのです。ところで、いいかげん、通していただけないでしょうか?」
「これは失礼しました!」
「どうぞ、お通りください。」
そしてエステル達は女王宮の中への潜入に成功した……………
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