第99話
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いた。そして少しするとエステル達が出て来た。
「まあ……」
「じゃ〜ん。えへへ、どーでしょうか?」
「うふふ……とってもよくお似合いですわ。」
エステルのメイド姿を見てヒルダは驚き、エステルは自慢げに胸を張り、シアは褒めた。
「城働きに来たばかりの活発で朗らかな侍女見習い……。そんな説得力は十分ありますわね。髪も下ろしていますから気付かれることはないでしょう。何でしたらこのままグランセル城で働きますか?」
「ゆ、遊撃士の仕事もあるからそれはちょっと……。あ、それよりも。ちょっと、ヨシュア。早く出てきなさいってば〜。」
ヒルダの勧誘を苦笑しながら断ったエステルは、未だ出てこないヨシュアを呼んだ。
「はあ……。どうしても出ないと駄目かな?」
「だーめ。ウダウダ言ってると引きずり出しちゃうわよ?」
「わかったよ……。もう、しょうがないな……」
そう言ったヨシュアはしぶしぶ、奥の部屋から出て来た。
「………………………………」
部屋から出て来た長い黒髪のメイド――ヨシュアは何も言わなかった。
「これはまた……。怖いくらいにお似合いですね。」
「ですよねぇ!?まったく、女のあたしよりもサマになってるというのは一体どーゆうことなのかしら。」
「うふふ……。お化粧のしがいがありましたわ。」
「もういいです……何とでも言ってください……」
3人の会話を聞き、ヨシュアは哀しそうに呟いた。
「さて……。準備は整ったようですね。それではこれから女王宮へと案内させて頂きます。あくまで侍女見習いとして扱いますので、そのおつもりで。」
「あ、はい、わかりました。ゴクッ……いよいよ女王様と会えるのね。」
「うん……ここが正念場だね。気を引き締めて何とか女王宮に入らないと。」
「プッ、その恰好でシリアスに言っても似合わないかも……」
女装とメイド姿で真剣な表情で言うヨシュアを見て、エステルは思わず吹きだした。
「わ、悪かったね!シリアスが似合わなくて!こんな恰好をさせといてよくもまあ、ぬけぬけと……」
「ゴメンゴメン。そんなに拗ねないでよ。今度、アイスクリームでもオゴってあげるからさ〜。」
「ふん、君じゃないんだから食べ物でごまかされたりしないよ。」
「あ、あたしがいつ食べ物でごまかされたのよっ?」
「うふふ……本当に仲がいいんですのね。」
「時間がありません……。さっさと女王宮に行きますよ。」
エステルとヨシュアの掛け合いをシアは微笑ましそうに見て、ヒルダは溜息を吐いて女王宮に行くよう、促した。そしてエステル達はヒルダに連れられて女王宮に向かった
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