第98話
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、ねえヨシュア、どうしよう?)」
「(付き合うしかなさそうだね……。少し遅れそうだけど夫人の所には後で行こう。)」
そして2人はリシャールに着いて行った。
〜グランセル城内・談話室〜
「……カシウスさんと出会ったのは私が士官学校をでたばかりのことだ。当時、彼が率いていた独立機動部隊に配属されてね……。それ以来、彼が軍を辞める時まで公私にわたってお世話になったんだ。」
「ふ、ふーん……そうだったんですか……」
ナイアルによって見せられた資料でリシャールの経歴を知っていたエステルは適当に相槌を打った後、別の事を尋ねた。
「えっと、その頃のお父さんって大佐から見てどんな感じでした?」
「一言でいうと『英雄』だったかな。『剣聖』とまで言われた技の冴え。あらゆる戦況に柔軟に対応できる立体的かつ多面的な指揮能力……。
単なる戦術に留まらない、高度な戦略レベルでの部隊運用……。メンフィルの”覇王”――リウイ皇帝陛下とファーミシルス大将軍を除いてどれをとっても並ぶ者はいなかった。」
「な、なんだか別の人の話を聞いてるみたいなんですけど……」
「父が軍を辞めるまでというとあの『百日戦役』の時も一緒に?」
カシウスの過去を聞いたエステルは信じられない思いでいて、ヨシュアはある事が気になって尋ねた。
「ああ……。カシウスさんの下で戦ったよ。今でも覚えている……。彼が立てた奇跡のような作戦を実行した時の熱気と興奮を……。あの時のことを話し始めるといくらあっても
時間が足りないからまたの機会にさせてもらうが……。ただ、これだけは断言できる。あの時、カシウス・ブライトという男が王国軍にいなかったら、このリベールはメンフィルが現れるまでにエレボニアに吸収合併されていただろう。」
「う、うそ!?さすがにちょっと信じられませんけど……」
リシャールの言葉にエステルは信じられない思いで驚いた。
「フフ、信じられないような事を成し遂げたから『英雄』なのさ。もっとも、戦後すぐに退役して女王陛下の勲章すら固辞されたから名前が知られることはなかったが……。今でも、一部の軍人の間ではカシウス大佐の名は英雄の代名詞だ。」
「うー……。あのヒゲ親父、そんな事、一言も教えてくれてないしっ!」
「まあ、娘にわざわざ語って聞かせるような話じゃないさ。父さんを責めたら可哀想だよ。」
リシャールの話を聞き、エステルは何も教えてくれなかったカシウスを怒り、ヨシュアはエステルを宥めた。
「か、可哀想なのはあたしの方!……って、ヨシュアってばあんまり驚いてないみたいだけど。もしかして……今の話、知ってたりするわけ?」
「リシャール大佐が父さんの部
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