第96話
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なったエステルはシアに尋ねた。
「まずは、女王陛下がいらっしゃる女王宮ですね。屋上にある空中庭園の一角に築かれた小宮殿ですわ。」
「空中庭園……。すごく綺麗そうな雰囲気ねえ。」
「うふふ、生誕祭の時にはそこのテラスから王都の市民に陛下が挨拶してくださるんです。空中庭園に出るくらいなら大丈夫だと思いますよ。それと、他の立入禁止場所ですが……。1階にある親衛隊の詰所と地下の宝物庫がそうなっております。」
「親衛隊の詰所っていうと……」
「たしかテロリストとして指名手配されてる連中らしいな?」
浮かれ気分だったエステル達は親衛隊の話が出て来ると、表情を真剣にし、ヨシュアやジンが尋ねた。
「は、はい……。現在、その場所は情報部の方々が使用されています。立入は禁じられているのでどうかご了承くださいませ。」
尋ねられたシアは言いにくそうに答えた。
「だいたい判りました。ところで、晩餐会に招待されている他の方々はどうしているのですか?」
「すでに全員お見えになっていますわ。たぶん、それぞれのお部屋で寛いでいらっしゃるかと思います。」
「そうですか……」
「それじゃあ、もうクラウス市長も来てるんだ。」
「はい、先ほどいらっしゃったばかりですわ。それでは私は失礼しますが……。何か御用がございましたら1階の控室までご連絡ください。」
そしてシアは部屋から出て行った。
「う〜………ちょっと、惜しい事をしたわね………まさか、こんな豪華な部屋に泊まれるとは思わなかったし………」
シアが出て行った後、エステルは客室に泊まれない事を微妙に悔しく思った。
「ハハ………それだったら、ここに泊まるかい?リフィア達にはパズモにでも伝言を頼めばいいと思うし。」
悔しがっているエステルを見て、ヨシュアは苦笑しながら提案した。
「そんなの駄目よ!ミントと約束したんだから!それにミントと一緒に寝るベッドがあたしにとって、最高のベッドよ!」
「ハハ……エステルらしいな。」
「そうだな。………いつも思うが、お前さんのあの嬢ちゃんに対する愛情はそこらへんの親と比べ物にならないくらいの愛情だな。」
相変わらずミントを可愛がっているエステルを見てヨシュアは苦笑し、ジンは感心した。
「当然よ!あたしはミントのお母さんなんだから!」
2人に言われたエステルは自慢げな表情で胸を張って答えた。
「さてと……」
そして表情を真剣に直したエステルはジンに気付かれないよう、ヨシュアに目配せをした。エステルの目配せに気付いたヨシュアも真剣な表情で頷いた。
「……ねえ、ジンさん。あたしたち、ちょっとお城の中を
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