第96話
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て、エステルは内心怒り心頭だった。
「わかりました。博士は僕たちにとっても恩人なのでよろしくお願いします。」
ヨシュアはエステルと違って、笑顔で答えた。
「それはもちろん……。さて、それでは皆さんをお部屋までご案内申し上げましょう。シアさん……あとはお任せしてもいいかしら?」
「はい……お任せくださいませ。」
カノーネに言われ、カノーネと一緒に来たメイド――シアが少し前に出て来た。
「念を押しておきますが……お客様に、つまらない話をして失礼をかけることがないように。いいですわね?」
「は、はい……わかっております。」
カノーネの言葉にシアは恐縮しながら答えた。
「うふふ、それでよろしい。それでは皆さん。よき夕べをお過ごしください。わたくしは、これで失礼しますわ。」
そしてカノーネはどこかに去って行った。
「うーん、なかなかイイ女だねぇ。」
「ジンさん、悪趣味ねえ……。あんな雌ギツネっぽいののどこがいいっていうのよ。」
「ああいう人がジンさんのタイプなんですか?」
カノーネに対するジンの評価にエステルは溜息を吐き、ヨシュアは以外そうな表情で尋ねた。
「はは、ああいうのに限って根が純情だったりするんだよな。そのギャップが、またそそるっつーか。」
「ダメだこりゃ……。どうでもいいけど何だかオジサンっぽいわよ。」
「ガーン!」
エステルの言葉を聞き、ジンは大ショックを受けた。
「あ、あの……」
そこにシアが恐る恐るエステル達に話しかけた。
「あ、ゴメンゴメン。あたしたちを部屋まで案内してくれるんだっけ?」
「はい……。ご案内させていただきます。申し遅れました。私、侍女のシアと申します。今夜の晩餐会から明日までお世話をさせて頂きます。何か不便がございましたらいつでもお申し付けくださいませ。」
「ああ、よろしく頼むぜ。」
「それでは部屋まで案内していただけますか?」
「あ、はい。お部屋はお2階にございます。」
そしてエステル達はシアの案内によって、客室に着いた。
〜グランセル城内・客室〜
「うっわ……」
「こんな所に泊まれたなんてちょっと想像できなかったな……」
「いやあ〜、何ていうかいい土産話になりそうだぜ。」
エステル達は客室の豪華さに驚いた。
「晩餐会が始まるまでしばらくあるかと存じます。城内は自由に見学して頂いて構いませんが、警備上の理由で立入禁止にしている区画があります。くれぐれも立入はご遠慮ください。」
「えっと、具体的にはどういう所がダメなわけ?」
どこが立入禁止になっている場所か気に
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