ソードアート・オンライン編
ー青眼の悪魔ー
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ソードスキルがその隙を与えない。 ゆえに存分に自分の力を振るえずにいるユーリは、徐々に押されつつあった。
「ーーユーリ、スイッチ!」
「くっ……!」
〈カタナ〉の強攻撃とグリーム・アイズの大剣が衝突し、その反動を利用し即座に後ろに飛び退り、入れ替わるための間を空ける。 そこに漆黒の片手剣に血色のライトエフェクトを纏わせたキリトが飛び込んでくる。
「ーーハァァァァァ!」
〈片手剣〉の中でも屈指の威力を誇る重単発技〈ヴォーパル・ストライク〉が放たれるが、しかし、大剣を盾のように構え防がれる。 キーーンと虚しい音を立て、弾かれたキリトにカウンターの拳が放たれ、キリトの華奢な体を吹き飛ばした。 即座にタゲを自分に向けさせると、ユーリは必死に思考する。
攻略組上位に入るダメージディーラーであるキリトや自分がマトモにダメージを与えられない中、スピード型であるアスナやシィではグリーム・アイズの一撃を捌ききれるとは思えない。 クラインもいるが数分と保たないだろう。
斬馬刀とカタナが次々と衝突を繰り返し、火花を散らす中、戦況は悪化していく。
「ーーう、ウワァァァ?? 」
「ーーこ、こっちに来るんじゃねぇ!」
ボス部屋奥。 グリーム・アイズの尻尾だと思っていた大蛇が鎌首をもたげ、毒液を撒き散らしながら〈軍〉プレイヤーと彼らを救助しようとするクラインたちを襲っていた。 そして、軍を庇った一人のプレイヤーが咥えられ、鋭い牙を突き立てられた。 血飛沫のような紅い飛沫が舞い、〈風林火山〉の団員が継続ダメージに恐怖に怯えた声を漏らす。 恐怖の感情が伝播し、もはや救助どころではなくなる。 クライン達が仲間を必死に助け出そうとするが激しく動き回る本体の悪魔がそれを容易にさせない。
定石通りなら、本体か尾蛇に強烈な一撃与えてやれば、解放されるのだろうが、防戦一方でスタンさせるまでの一撃を見舞うまでの余裕はない。 焦りが募る毎に剣先が目に見えて鈍る。 大上段から放たれた大剣を逸らしきれず、已む無くカタナで受け止める。 ユーリを押し潰さんが如く、大剣に力が込められ、ジリジリと押され、ギシリと刀が嫌な音を立てる。
打つ手なしと思われた時、大蛇の絶叫と共にプレイヤーがポロリと解放された。 見れば、太い胴体が穿たれ、切り裂かれていた。 アスナとシィだ。 二人は、強い意志を秘めた瞳をユーリへと向け、叫んだ。
「ユーリ! 尻尾は私たちで対処するからっ!!」
「任せたっ!!」
「任されたっ!!」
短い言葉で応えると、四肢に力を込めグリーム・アイズの一撃を弾き返した。 即座に納刀し、抜刀を放つ。 唸りを上げた銀の刃が筋肉が隆起した胸元を捉え、切り裂いた。 初めてボスのHPバーが目に見えて減少するが、与えた傷
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