ソードアート・オンライン編
ー青眼の悪魔ー
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げ、叫んだ。 本来ならプレイヤーたちの士気向上になるはずのそれは今に至っては自らの首を絞める行為に他ならない。八人の団員たちは四人二列となり、武器を構える。
「全員……突撃……!!」
突撃指令。 本来なら、前衛に壁役をおいて次々と入れ替わっていくのが定石なのだが、……総突撃はあまりにも無謀過ぎた。
悪魔は仁王立つと輝く噴気を吐き出し、隊員たちへと浴びせかけた。 恐らくあの吐息にも攻撃判定があるのだろう。 八人の突撃の勢いが目に見えて緩む。 そこにすかさず、大剣が突き立てられ、一人を掬うように斬りあげた。
ボス部屋の主の頭上を越え、ユーリたちの目の前に激しく落下したのは、
無謀な突撃を命令したリーダー格の男だった。
ーーありえない
そう言い残すと、無数の破片となり飛散した。 司令塔を失ったパーティーは瓦解した。 連携などあったものではなく、悲鳴をあげながら逃げ場のない部屋内を逃げ惑い、悪魔によって蹂躙されるのを待つだけ。
「もう……だめ、だよ」
地獄絵図と化したボス部屋内を見て、アスナが堪えきれずに喘いだ。
「ダメーーーッ!!」
「アスナッ!」
腰に吊った細剣の柄へと手をかけ、絶叫と共に駆け出した。 空中で抜いた細剣と共に閃光となったアスナは、悪魔へと痛烈な一打を与えた。 だが、まったく堪えた素振りを見せず、怒りの眼差しをアスナへと向けると猛烈な速度で大剣を振り下ろした。 咄嗟にステップで回避するも躱しきれずに斬撃の余波を受け、倒れてしまう。そこに容赦なく次弾が降り注ぐ。
「ーーざけんなぁ!!」
咆哮一閃。 漆黒の鞘から放たれた銀の刃が光の軌跡を描きながら、部屋の主《ザ・グリーム・アイズ》の大剣を弾き返した。 凄まじい衝撃、激しい火花が散る中、ユーリは叫んだ。
「キリト、シィは援護! アスナとクラインたちは回復と救護!」
威勢良い掛け声と共に野武士集団がボスを迂回しながら、倒れ伏す〈軍〉たちに駆け寄るも、中央ではグリーム・アイズとユーリが激しく斬り結んでいるため、撤退が遅々として進まない。 苦しい表情を浮かべるユーリを嘲笑うかのようにグリーム・アイズは暴れ狂う。
「ーーおぉぉぉ!!」
悪魔の重く鋭い一撃と、ユーリの抜刀が衝突し、またしても激しい火花を散らし、衝撃の余波がビリビリと大気を震わせる。 周りへと気を使いながら、容赦なく降り注ぐ斬撃の嵐を必死に躱し、逸らすユーリの表情は厳しい。
ユーリの扱う〈抜刀術〉は、強力な一撃を放てるが、一度使うと次の技の発動までに〈納刀〉という決定的な隙ができる。 それこそ一瞬のことだが、ボスの強靭なステータスとカスタマイズされた
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