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ソードアート・オンライン 神速の人狼
ソードアート・オンライン編
ー青眼の悪魔ー
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あるボス部屋で戦闘が行われている可能性が高い、かなり。

 そもそも、層の元締めたるフロアボスは、プレイヤーもしくは、パーティ単体だけの力で斃せるものではない。 それこそ、何度も偵察が行われ、行動パターンを割り出した上で綿密な計画が練られ、漸く討伐に至る相手だ。 過去一度、二パーティーに満たない人数でフロアボスを討伐した事例があったらしいがそれはゲーム序盤かつその時のボスが少人数の方が適していたという理由に過ぎない。

ーーーいったい誰がっ!

 駆ければ駆けるだけ、不安を煽るサウンドは大きく、ハッキリとしたものになっていき、余計に焦りが募っていく。
 やがて角を曲がり、一直線の通路に変わり、シィが前方を指差し叫んだ。

「ユーリ、見えた!」

 回廊の突き当たりには、巨大な扉が左右に開き、入り口がぽっかりと口を開けていた。 ボス部屋だ。 薄闇の中ではソードスキルの演出光と思わしき色とりどりの閃光が眩く光り、同時に巨大な影が部屋の中で蠢いていた。

「ーーーあぁぁぁぁぁぁぁ」

「バカかっ……!」

 毒吐くと更にスピードを上げた。 ほとんど地に足をつけず、飛んでいるに等しい速度で最後の直線を駆け抜けた。 扉の直前で急制動をかけ、ブーツの鋲から火花を散らせつつ入り口のギリギリで停止した。 そして、半身を乗り入れ、言葉を失った。

 内部は修羅場だった。プレイヤーの一団が円形に広がるボス部屋の奥に押し込まれ、慌てふためきまるで統制が取れていない。 更に部屋の中央では、双眸を妖しく輝かせた青い悪魔が斬馬刀を片手に暴れていた。


 ーーなぜ、どうして……


 状況が飲み込めず、立ち竦んでいると背後から半ば叫ぶように名前を呼ばれ、ハッと我に返った。

「ユーリ! シィ!」

「……!? キリト、それにアスナも」

 黒と白のコンビが彼らの両脇に止まり、少し遅れて赤い鎧甲冑を身につけた集団ギルド〈風林火山〉がやって来、そして、彼らも中の状況を見るなり絶句した。 だがいち早く状況を呑み込んだキリトがボス部屋内部で倒れているプレイヤーに向かって叫んだ。

「……クリスタルを使え!!」

 だが、返ってきた答えはこの場にいる誰もに絶大な衝撃を与えた。

「だ、ダメなんだ……!クリスタルが使えないっ!」
「なっ……??」
「《結晶無効空間》……だと!?」

 一部迷宮区のトラップとして確認されていたがボス部屋でその仕掛けが採用されていることは一度もなかった。
状況に追いつけず、明確な行動を起こせないうちに、ボス部屋内部での状況は悪化していく。

『……逃げるな! 戦え! 我ら〈アインクラッド解放軍〉に撤退の二文字はありえないっ!!』

 リーダー格と思わしき男が片手直剣を掲
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