第94話
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べ、良く眠り、鍛えていたら自然とこうなり申した。生来、物事を深く考えない質ゆえ図体ばかり大きくなったのでしょう。」
「ハッハッハッ、なるほどな。うむ!気に入ったぞ、ジンとやら!賞金10万ミラと晩餐会への招待状を贈るものとする!」
「ありがたき幸せ。」
そしてデュナンはジンに賞金10万ミラと晩餐会への招待状を渡した。
「そなたと、そなたの仲間に女神達の祝福と栄光を!さあ、親愛なる市民諸君!勝者に惜しみない拍手と喝采を!」
デュナンの宣言に応えるかのように観客達は惜しみない拍手をし、大きな喝采の声を上げた。
こうして、波乱に満ちた武術大会は幕を閉じた。
〜グランアリーナ・選手控室・紅の組〜
「フフ、面白い者たちが優勝することになったものだな。」
一方選手控室から表彰式を見守っていたリシャールは口元に笑みを浮かべた。
「まったく……。恥を知りなさい、ロランス少尉。決勝に行くどころか2回戦で、しかも他国の皇女に遅れを取って閣下の顔に泥を塗るなんて……。日頃のふてぶてしい態度はどうやらコケ威しだったようね?」
「……恐縮です。」
カノーネはロランスがプリネに負けた事を責めた。責められたロランスは静かに頭を下げた。
「はは、カノーネ君。そう責めないでやってくれ。実は私の方から、ロランス君に全力を出さないように頼んだのだ。」
「えっ……!」
「…………………」
リシャールの言葉にカノーネは驚き、ロランスは黙っていた。
「情報部はその性質上、黒子の役に徹せねばならない。今回のように、華のあるチームが優勝する方が望ましいだろう。」
「なるほど……。公爵閣下も、あの東方人を予想以上に気に入られた様子……。目くらましにはもってこいですわね。」
リシャールの説明を聞いて納得したカノーネは不敵な笑みを浮かべた。
「しかし……今年の大会は残念だったな。親衛隊のシュバルツ中尉やモルガン将軍が参加していればもっと華やかだっただろうに。」
「うふふ、お戯れを……。そういう事なら、閣下ご自身が出場なさればよろしかったのに。あの小癪なユリアなど足元にも及ばぬ腕前なのですから。それに閣下なら単独であの目触りな”戦妃”に勝てるのではないですか?」
「はは、私はそれほど自信家ではないつもりだよ。本気を出したロランス君にもあまり勝てる気がしないからね。」
「……お戯れを。閣下は少々、私のことを買いかぶりすぎているようだ。軍人とは名ばかりの猟兵あがりの無骨者にすぎません。」
自分に対するリシャールの評価を聞いたロランスは謙遜して答えた。
「これで
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