〜武術大会・決勝戦〜前篇
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
エステルは怒った。
(フフ………ごめんなさい。でも、そうね。あの方達の事を貴女より、よく知っている私達がそんな事を言ってはいかないわね。)
(では、ラ……お姉様。)
(ええ。最初は私が戦うから、貴女は私の後をお願い。)
(はい!カーリアンを驚かせてやりましょう!)
(え?え?)
2人の会話に再び訳がわからなくなったエステルは戸惑った。
(では、百数十年ぶりの戦友に挨拶に行きましょうか。………リン。)
(はい!ラピスお姉様!………我等の戦いをよく見て、自分の物にしてみろ…………我等の魂を継ぐ少女よ。)
そして美しい黒髪と翡翠の瞳を持つ女性と輝く金髪と紫紺の瞳を持つ女性の顔が一瞬見えた後、エステルの意識は途切れた。
〜グランアリーナ〜
一方カーリアンと激しい戦いをしていたヨシュア達はアーツやクラフトを駆使して、自分達の身体能力を上げたり、カーリアンの身体能力を下げて最初はなんとか互角に戦えていたが、カーリアンがそれぞれの攻撃に対処し始めると、どんどん劣勢になっていった。
「喰らっときなさいよ!!」
「くはっ!?」
「ぬぐっ!?」
「ぐっ!?」
複数の敵を一瞬で攻撃する剣技――乱舞を喰らってしまったヨシュア達は痛みに呻いた。
「フフ………結構粘るじゃない♪でも、さすがにそろそろ限界かしら?」
余裕の表情でカーリアンはボロボロになっていても、いまだに立っているヨシュア達を見て感心した。
「くっ………ここまでの強さとは………」
「正直、勝てる気がしないよ……」
「3人がかりで攻撃しても、有効打を未だに入れられないとはな……さすが、カシウスの旦那を破っただけはあるな……」
カーリアンの強さにヨシュアは呻き、オリビエは泣き言を言い、ジンはカーリアンの強さに納得した。
「さあて、そろそろ終わりにしようかしら?」
「くっ!?」
「さすがに今回は不味いかな……?」
「万事休すか……!」
双剣を構え、闘気を最大限に出しているカーリアンを見て、ヨシュア達は試合を諦めかけようとしたその時!
「水よ……!連続水弾!!」
「!!」
双剣を構えているカーリアンに魔術でできた水の弾が襲った。自分に向かってくる水の弾に気付いたカーリアンは構えを解き、回避した。
「魔術!?という事は………!」
カーリアンを襲ったのが魔術とわかったヨシュアは期待した表情でエステルが倒れていた方に振り向いた。
「…………………」
そこには異様な姿のエステルが静かに棒を槍を構えているかのような構えをしていた。
「エ……ス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ