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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第91話
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ヨシュアの忠告にエステルは信じられない表情で尋ねた。

(頼むから僕の言うとおりにして……。何だったらここで待っていてくれても構わない。)

(じょ、冗談!覚悟はできているからとっとと中に踏み込みましょ!)

(……了解。)

そしてエステル達は武器を構えて、部屋に突入した。

「あ……」

「逃げられたみたいだね。でも、おかしいな……。人のいた気配がない……。トラップも……仕掛けられてないみたいだ。」

しかし部屋の中には誰もいなく、部屋自体も散らかっている様子はなく綺麗なままだった。

「そ、そんな事までわかるの?」

部屋の現状を見て、トラップが仕掛けれていない事にまで気付いているヨシュアにエステルは驚いた。一方ヨシュアは窓の下に手紙が落ちているのを見つけ、それを拾った。

「……どうやら置き土産はこれだけみたいだ。」

「それって……手紙?」

ヨシュアは手紙の封を切って、文面を読んだ。

「『―――今夜10時。大聖堂まで来られたし。くれぐれも他言無用のこと。』」

「……って、それだけ?大聖堂って、西街区にある大きな教会のことよね。今夜10時っていうことはもうすぐか……」

文面の少なさにエステルは驚き、部屋にある時計を見て、指定している時間がかなり近付いている事に気付いた。



「………………………………」

一方ヨシュアは目を閉じて考え込んでいた。

「うーん、あやしさ大爆発だけど虎穴に入らずんばとも言うし……。ねえ、ヨシュア。ここはお誘いに乗ってみない?」

「……駄目だ!」

エステルの提案を聞いたヨシュアは目を開けて、大声で否定した。

「ど、どうしたの?」

急に大声を出したヨシュアにエステルは驚いて、尋ねた。

「ごめん、大声を出して……。ほら、さっき兵士たちが夜のパトロールを強化してるって言ってただろう?西街区までは離れているし、見咎(みとが)められる可能性が高いよ。」

「あ、忘れてた。うーん、だからといって放っておくのも気持ち悪いし……」

ヨシュアの説明を聞き、街には兵士達が巡回している事を思い出したエステルはどうするか考え込んだ。

「だから、僕一人で行ってくるよ。」

「へっ……?」

そしてヨシュアの提案にエステルは呆けた声を出した。

「こういう時は、2人よりも1人の方が行動しやすいからね。兵士達をやり過ごしながら大聖堂までたどり着けると思う。」

「………………………………」

「様子を確かめるだけなら僕一人で充分だと思うんだ。だから君はここでミントと待ってて……」

「コラ。」

ヨシュアの説明を黙って聞いていたエステルだったが
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