第91話
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騎士みたいだったもんね。」
具体的な理由をナイアルから説明され、2人は納得した。
「それから……これは軍とは関係ないんだが。お前ら、『クローディア姫』という名前は聞いたことはあるか?」
「クローディア姫……。どこかで聞いたことあるわね?」
「確か、海難事故で亡くなった王太子夫妻の忘れ形見ですね。女王陛下のお孫さんにあたる……」
ナイアルが尋ねた人物――クローディア姫について尋ねられたエステルは聞き覚えのある名前に首を傾げ、ヨシュアはナイアルに確認した。
「ああ、あまり有名じゃないが、直系中の直系ともいえる女性だ。いつもは、グランセル城の女王宮で暮らしてるらしいが……。その姫殿下の見合い相手をある人物が捜しているらしい。」
「見合い相手かぁ……。お金持ちの家は、そういうのも珍しくないっていうけど……。何だかちょっと気の毒よね。リフィア達みたいに女王様自らが断ってくれたらいいのにねぇ……」
「エステル、論点はそこじゃないよ。この場合、『ある人物』というのが問題なのですよね?」
「フフ、さすが鋭いじゃねーか。」
ヨシュアに尋ねられたナイアルは口元に笑みを浮かべた。
「え、その人物って……リシャール大佐のこと?」
「ほう、なかなか鋭いな。実際に、他国に人を派遣して有力候補を捜そうとしているのはリシャール大佐らしいんだな。」
エステルの指摘にナイアルは感心しながら説明した。
「やっぱり……。でも、おかしくない?なんでリシャール大佐がお姫様の結婚相手を探すわけ?」
「だから面白そうな匂いがプンプンするんじゃねえか。というわけで……そのあたりの事は頼んだからな。」
「へ……?」
いきなりナイアルに頼まれた事にエステルは首を傾げた。
「……明日の試合に勝ってお城の晩餐会に招待されたらそのあたりの情報を探ってこい。つまり、そういうことですね?」
「あ、なるほどね……。まったく、道理で気前よく色々と教えてくれるわけだわ。」
ヨシュア尋ねた事で納得したエステルはいつもなら難癖をつけるナイアルがあっさり情報を自分達に開示した理由がわかり、呆れた。
「これだけ調べてやったんだ。ギブ・アンド・テイクは当然だろ。」
「確かに、色々と助かりました。」
「仕方ないわね〜。何か判ったら教えてあげるわよ。」
「へっ、そう来なくっちゃな。まあ、お前らに頼らなくてもうまく行けば今日中にも……」
ナイアルがエステル達に何かを言いかけようとしたその時、通信機が鳴った。
ジリンジリン!ジリンジリン!
「おっと……」
そしてナイアルは受話器を取った。
「もしもし。こちら『
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