外伝〜鉱夫達の救出〜前篇
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った。
「やっぱり動かない……」
「エレベーターの制御キーは挿してあるから、起動しない理由はやっぱり導力停止現象の影響ね。」
「……………」
「ん……?ティータ、どうかした?」
エレベーターを見つめて真剣な表情で考え込んでいるティータが気になったエステルはティータに声をかけた。
「う、うん……ちょっと思ったんだけど……あの、このエレベーターは駆動部内蔵型ですよね?」
「え……?あ、ああ………確かにその通りだぜ。」
「あ、やっぱり……」
鉱夫に確認したティータはエレベーターに近づいてエレベーターの装置を調べ始めた。
「えと、制御キーの差込口はここだから……駆動オーブメントはちょうどこの辺りかな?標準的な設計なら、たぶんここにあると思うけど……」
「う、う〜む……」
「フフ、さすがティータね。」
真剣な表情で考え込んでいるティータの独り言を聞いたエステルとアーシアはそれぞれ苦笑していた。
「な、なんだか異様に機械に詳しいガキだな、おい。」
「うん……どうにかなりそうです。」
「どうにかなりそうって……」
「もしかしてエレベーターを動かせるのかしら?」
「……はい、たぶん。あの零力場発生器を使えばきっと動くと思いますよ。」
「え、発生器で?」
ティータの意外な提案にエステルは目を丸くした。
「うん、発生器をエレベーターの駆動部にできるだけ近づけるの。うまくいけば、停止現象の効果を一時的に無効化できるはずだよ。」
「なるほど………その手があったね。さっそく試してみよう。」
「う、うん!やってみるね。」
ティータは零力場発生器をエレベーターの操作盤に押し当てた。すると怪しげな黒い光が操作盤から放たれた。
「う、うおっ!?」
「あ……こ、この光って……」
「ゴスペルと同じ光ね……」
「……干渉が起きてるようですね。」
「…………」
その場にいる全員が見守っていると光は消えた。
「き、消えちまったぞ……」
「ふう……たぶんこれでうまく行ったと思うけど……」
そしてティータが安堵の溜息を吐いたその時エレベーターが動き始めた。
「はわっ!?」
「う、動いたっ!?」
「内部のオーブメントに導力が戻ったみたいだ。早く乗り込もう。行くなら今しかない。」
「フフ、ティータのお手柄ね。」
「お、俺もついて行くぜ!」
「急いでください!」
動き始めたエレベーターを見たその場にいる全員は急いでエレベーターに乗り込んだ。
「そ、それじゃー行きます!
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