第76話
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〜琥珀の塔・屋上〜
「もう……待ちくたびれちゃったわ。」
エステル達が屋上に到着するとユウナが”ゴスペル”が装着された装置の前で待ち構えていた。
「ユウナ……!」
「うふふ。エステルってば悪い子ね。ユウナが留守にしている間に”方舟”から逃げちゃうなんて。でも、まあいいわ。こうして遊びに来てくれたんだし。」
「ユ、ユウナちゃん……」
「うふふ、ティータもわざわざ遊びに来てくれたのね?アイスクリームは御馳走できないけどゆっくりとしていくといいわ。」
「あ、あう……」
勇気を出してユウナに話しかけようとしたティータだったが、ユウナに意味ありげな笑みを浮かべて答えると次に何を話せばいいかわからず、口ごもった。
「うふふ、王都以来ね、レン。あの時は遊んであげる時間はなかったけど、今回はたっぷりあるから楽しみにしていてね?」
「うふふ、それは楽しみね♪―――それよりもエステルから聞いたわよ?レンからエステルを取り上げる為にユウナがレンの代わりになる事を条件にエステルを”結社”に入るように誘ったって。幾らエステルがヨシュアを連れ戻したいからって、エステルの性格を考えたら”結社”に入る訳ないし、そもそもそれ以前に幾らユウナがレンそっくりになったとしてもエステルがユウナをレンと思える程器用な性格をしている訳がないでしょう?随分と浅はかな事を考えたものね?」
「むう、確かに言われてみればそうね。悔しいけどその点についてはレンの言う通り、そんな単純な事に気づかなったユウナの落ち度ね。」
レンの正論を反論することなく認めたユウナは疲れた表情で答え
「互いを嫌い合っているくせに、何であたしの事になると息ピッタリになるのよ。あんた達、本当はやっぱり仲が良いんじゃないの?」
「ア、アハハ……ま、まあ二人は双子ですから考えも一致してもおかしくありませんよ。」
「フッ、そういう意味ではお前とモースの手下であった導師守護役も同じではないか?」
「失礼、です。アニスとアリエッタ、全然違い、ます。」
ジト目になっているエステルにイオンは苦笑しながら指摘し、口元に笑みを浮かべているバダックに視線を向けられたアリエッタは表情をわずかに歪めて答えた。
「それから……うふふ。やっと姿を見せてくれたわね。会いたかったわ、ヨシュア。」
「……まさかこんな所で君と再会するとは思わなかったよ。大きくなったね……ユウナ。」
「うふふ、当然よ♪ユウナはもう11歳なんだもの。ヨシュアも、しばらく見ない内にすごくハンサムさんになったのねぇ。冷たい瞳をしていないのはちょっと変な感じがするけど……でも、今のヨシュアも悪くな
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