第76話
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「ユウナこそ、”姉”が痛がっているのに助けてくれなかった癖によくそんな厚かましい事が言えるわね……」
ユウナの問いかけにエステルが複雑そうな表情で黙り込んでいる中、レンは全てを凍てつかせるような視線でユウナを見つめて呟いた。
「”厚かましい事”ですって……?ユウナと同じ”穢れた子供”の癖に自分だけ”幸せ”になったおねえちゃんにだけはユウナにそんな事を言う資格はないわよ!」
するとその時ユウナは怒りの表情でレンを睨んで怒鳴った。
「ユ、ユウナちゃん……?」
「レンとユウナが”穢れた子供”……?レン、それって一体どういう事なの……?」
「…………………”今のエステル”だと知る資格はない……とだけ言っておくわ。」
「「「………………」」」
ユウナの突然の豹変にティータと共に戸惑っていたエステルに訊ねられたレンは複雑そうな表情で答え、事情を知っているイオン達は重々しい様子を纏って黙り込んでいた。
「……ユウナ。まさか君がレンを憎んでいる本当の理由は――――」
「レンだけ”本物の家族”を手に入れて”幸せ”になった事を嫉妬しているのでしょう?」
ヨシュアがユウナに問いかけようとしたその時、レンが続きを答えてユウナを挑発するかのように口元に笑みを浮かべてユウナに問いかけた。
「うふふ、確かに最初にその様子を見た時にそんな感情が湧いた事は否定しないけど、その事は関係ないわよ?だって、レンは”ニセ物のおねえちゃん”なんだからユウナには関係ないし、レンに”焔の剣聖”が迎えに来たようにヨシュアとレーヴェがユウナを迎えに来てくれたから。悪い大人たちを皆殺しにしてね。」
「え……」
「……”結社”はたまに下劣な犯罪組織を潰す事がある。もちろん正義のためじゃなく、自らの秩序に組み込むためにね。そんな任務の一つだったんだ。」
「そうだったんだ……」
「女王宮で”剣帝”と対峙した時のアリエッタの話を聞いてもしやと思いましたが、あの場所にいた者達を殲滅したのは貴方と”剣帝”だったのですか……」
ユウナの話を補足したヨシュアの説明を聞いたエステルは呆け、イオンは真剣な表情でヨシュアを見つめた。
「”結社”に引き取られてからユウナは色々なことを学んだわ。ヨシュアからは隠形術を、レーヴェからは武術を教わった。他の人達も、それぞれ得意とする分野を教えてくれた。そして”十三工房”では人形とお友達になる方法を教わって……―――そこでユウナは本当のパパとママ(パテル=マテル)に出会った。」
そして話を終えたユウナが大鎌を掲げると上空からパテル=マテルが現れて屋上に降り立った!
「あ……!」
「あ、あの時の人形兵器……!」
「
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