第10話『体育の時間』
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は10m程あった壁を難なく登ってしまった。素人なのに。非常におかしい。
「それでは皆も順番にやりましょう」
悪魔の一声が掛かった。
「はい。では次に行きましょう」
「ぜぇ…ぜぇ…」
きつい。3mも行けなかった…。てか、そもそも次の石に手が届かないし。
しかもこれで終わりではなく、まだ何かをやるようだ。いやもうダメ、やられる。
「大丈夫か晴登?」
「無理…」
大地の優しさにも対応できない。
どんだけ疲れてんだよ俺。普段運動はしないからな…。
「着きました」
無駄に広大な学校を歩き回り、今度着いた場所は・・・、
「普通にグラウンドですね」
「はい。今度は50m走です。簡単でしょう?」
難易度は下がったが、既にモチベが下がっているため、やる気を駆り立てられない。皆も同じ気分だろう。1人を除いて。
「では出席番号順に4人ずつやります。出席番号が早い順に並んで下さい」
出席番号が早い4人がスタートにつく。全員疲れきった表情をしている。
「始めますよ。よーい・・・ドン!」パァン
先生がピストルを鳴らすと4人は走り出した。
全員走り方が何だかぎこちないが、それでもゴールへと走っている。
ピッピッピッ
先生が持っているストップウォッチを3回鳴らす。3人がゴールしたようだ。大体8秒はかかったかな・・・って、
「ぜぇ…ぜぇ…」
「「えぇ!!?」」
えっとあれは…暁君だっけ!?
何でまだ30m地点にいるの!?
つか今にも倒れそうなんだけど!?
・・・はっ!そういえば…
『暁君、4段失敗…』
『暁君、結果1m…』
・・・って先生が今までの競技で呟いていた!!
てことは・・・
「(暁君ってさ、絶対運動苦手だよね)」
「(苦手って次元じゃないだろ)」
大地と話してその結論に至った。
彼は頭は良いが、運動がてんでダメなのか。
だったら、大地は勉強も運動もできるし、その点万能だな。
完璧そうな暁君にもそんな弱点があったとは…。
「暁君、13秒53…」
何か先生が呟いているけど、よく聞こえなかったな。
でもたぶん、クラスで最下位のタイムであることは間違いない。可哀想に、暁君。
「じゃあドンドン行くよ」
先生が言った。
もう次の4人はスタートの構えをしていた。
「よーい・・・ドン!」
スタートの合図が響いた。
「・・・てことがあったんだ」
「へぇ〜。大変だったね、男子」
「大変ってレベルじゃねぇよ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ