第75話
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る。―――私の幻術を使えば造作もないトリックだったわ。」
「やめて……やめてよ!姉さんは座長を殺したなんて……そんな事あるわけないじゃない!本当の親子みたいに……それ以上に仲が良かったのに!」
しかし自分の想いを否定するかのように残酷な真実を語ったルシオラにシェラザードは悲鳴を上げるように必死に否定をしようとした。
「だからこそ赦せなかった。あの人が私たちの元から去って行こうとしたことが……」
「え……」
そしてルシオラの言葉にシェラザードが驚いたその時、今までの塔と同じように妖しい光を放っていたゴスペルは光を放つをやめた!
「また………!」
「戻るのか………!?」
ゴスペルの光が消え、装置の起動が終わると今までの塔のように装置は完全に止まり、周りの風景は元に戻った。
「ふふ……どうやら時間切れのようね。」
「ね、ねえ……。ここにあった結界って何のために張られていたの?”結社”は一体、何をしようとしているわけ?」
「残念だけど、私たちも詳しい事は教わっていないの。教授に指示された通りのことをやっていただけだから。ただ、隠された塔の内部を見て何となく見当はついたのだけど。」
「え……」
ルシオラの答えを聞いたエステルが驚いたその時、ルシオラは鈴を鳴らした。するとルシオラの姿が薄らぎ始めた。
「待って姉さん!まだ全部答えてもらってない!どうして姉さんが座長を殺さなくちゃならなかったの!?……あんなに優しかった……みんなの親代わりだった人を……!」
「ふふ……悪いけど今回はここまでよ。今度会えた時に続きは全部教えてあげるわ。それまで良い子にしてなさい。」
血相を変えて尋ねるシェラザードの問いかけにルシオラは答えず、その場から姿を完全に消した。
「あ、あの、シェラ姉……」
「シェラさん……」
「……大丈夫、心配しないで。あたしは姉さんの真実に一歩、近づくことができた。今は……それだけで充分よ。」
「シェラザード……」
(……”真実”、か……)
(ヨシュア……レーヴェ……)
驚愕の事実をしっても落ち着いた様子でいるシェラザードをアガットは静かな表情で見つめ、フレンは重々しい様子を纏い、ステラは辛そうな様子でヨシュアを見つめていた。
「”四輪の塔”もこれで3つ……。”アルセイユ”に戻って最後の塔に向かいましょう。」
そしてエステル達はアルセイユに戻り、最後の塔である琥珀の塔に向かった。
〜リベール上空〜
エステル達が”四輪の塔”の事件を解決している間、王国軍警備艇が”結社”の飛行艇に牽制射撃を行いながら、追いかけていた。
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