第74話
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もかんでも金で解決しようとするその考えはマジで止めろよ?」
「んもう、そのくらいの事はわかっているわよ。レンがそんな強硬手段を取るのは、家族を守る時だけよ。」
真剣な表情をしているルークの指摘にエステルに拳骨をされた部分を涙目になって両手でさすりながらレンは頬を膨らませて答えた。
「それよりも先に考える事は幾ら合法的とはいえ、その娘が雇った”西風の旅団”の猟兵達をどうするかよ……3億ミラなんて普通に考えたらありえない莫大な金額の”報酬”が前もって支払われている以上確かにレナさんの護衛はキッチリこなすでしょうけど、猟兵は遊撃士(あたし達)と違って依頼を達成する為には手段を問わないんだから、レナさんを守る為に民間人を巻き込んだりとかする可能性は十分に考えられるわよ……」
「―――いえ、その点についてはあまり心配する必要はないかと。」
疲れた表情で溜息を吐いたシェラザードにヨシュアは静かな表情で指摘した。
「ヨシュア?それってどういう事?」
「高ランクの猟兵団になれば、実績もそうだけど自分達に対する依頼人の信用も気にするんだ。ましてや”西風の旅団”は最高ランクの猟兵団である事に加えて3億ミラという莫大な金額の報酬が既に支払われているからね。だから当然自分達の信用を落とさない為や3億ミラという報酬に対する違約金を請求されない為にレンが出した条件――――母さんを守る為に”遊撃士協会の規約に触れない方法で護衛する”という条件も守る可能性はほぼ確実と言ってもいい。」
「うふふ、依頼人の信用も気にする点で言えばレン達遊撃士も同じだからこそ、最高ランクの猟兵団の一角である”西風の旅団”を選んだのよ。ちなみに”赤い星座”も考えたんだけど、”赤い星座”の団長を含めた”オルランド一家”って戦闘狂ばっかりだって情報だから止めたのよ。」
「連中と俺達を一緒にするんじゃねぇ、このガキが……!」
エステルの質問に答えたヨシュアの説明に続くように悪びれも無く答えたレンをアガットは睨んだ。
「……彼らについては依頼達成の為に故意に民間人を傷つけたり等をしない限りはそのまま仕事を続けてもらった方がいいだろうね。情けない話だが今の状況で一個人の護衛の為だけに王国軍は戦力を割けないし、それに彼女が雇った猟兵達の中には”執行者”ともまともに渡り合える者達もいるとの事だからそう言う意味ではカシウス殿の奥方に降りかかる危険の確率はかなり低くなっているだろうしね。」
「戦力を割けないという点で言えば遊撃士協会も同じだな。確かに軍の最高司令官である旦那の家族となると普通の民間人と比べると危険な目に遭う確率は跳ね上がるが、遊撃士協会は一個人の為だけじゃなく民間人全員の為に存在している組織だ。」
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