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酒と悪魔
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第二章

「酒はどうだろうな」
「ああ、あれな」
「あれで喧嘩はじめる奴もいるしな」
「人間性変わる奴いるしな」
「特に下品になる奴は最高だな」
 酒になるとだ。彼等の話も弾む。
「あれにするか?」
「それじゃあな」
「かなり効果があるな」
「よし、それじゃあそれにするか」
「酒をもっともっと人間の世界に広めてな」
「人間達を堕落させるか」
「ああ、そうしような」
 こうして彼等の話は決まった。人間達を酒で堕落させることにしたのであった。決めたらそれで即座に動く彼等だった。
 まずはだ。彼等は酒を集めた。そうして車座になってそれぞれ話す。
「それじゃあな」
「ああ、酒を広めるにしてもな」
「どの酒がいいかだな」
「酒っていっても色々だからな」
 こう話すのであった。
「具体的にどの酒だ?」
「ええと、これは米で作った酒か」
「ああ、日本の酒だ」
「あの島国の酒か」
「日本酒だな」
 まずはこの酒が目に入ったのである。
「とりあえずどの酒がいいか確かめるか」
「人間を堕落させるにはどの酒が一番いいか」
「飲んで確かめるぞ」
「まずはこの米の酒からな」
 こうしてだった。その酒を皆でカップに入れて飲んでみる。するとだった。
「甘い酒だな」
「ああ、後に結構残るな」
「しかしアルコールはあまり強くないな」
「甘いから飲み過ぎたら糖尿病になりそうだがな」
「一応考えておくか」
「そうだな」
 そしてだった。次は。
「コーリャンで作った酒か」
「老酒か」
「おお、これは中々」
「アルコール強いな」
「いい感じじゃないのか?」
「中国の酒か」
 この酒についても飲みながら話されていく。
「これもいいか?」
「候補として置くか」
「そうだな」
「で、今度はあの派手な国の酒か」
「トウモロコシの酒だな」
「アメリカか」
「バーボンだな」
 次はこの酒だった。飲んでみるとだ。
「何かいがいがした感触だな」
「これもいいな」
「そうだよな」
「アルコールも強いし何か面白い感じだな」
「で、次はサボテンで作ったな」
「テキーラだな」
「メキシコだったな」
 それも飲んでみる。これもまた、だった。
「アルコールが強いとそれだけ酒が回るからな」
「これもよさげだな」
「いや、アルコールだったらこれだろ」
 透明の酒が出て来た。それは。
「ロシアの酒だ」
「ウォッカか」
「それか」
「それ飲むか」
「ああ、これは凄いぞ」
 こんな話をしてそうして酒を飲む。するとであった。

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