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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第86話
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リウイ達の様子を見守っていたマキアスは辛そうな表情になり、ツーヤは複雑そうな表情で黙り込み

「ねえ。この場合、誰が悪い事になるの?」

「ぼ、僕に聞かれてもわからないよ……」

「……………………」

フィーに尋ねられたエリオットは不安そうな表情になり、ラウラは重々しい様子を纏って黙り込んでいた。



「………………―――恐れながら陛下。本来なら俺のような訓練兵如きが意見を述べるのは筋違いと承知していますが、どうか聞いて頂いてもよろしいでしょうか?」

するとその時考え込んでいたリィンは静かに前に出てリウイを見つめて申し出た。

「ほう?」

「「に、兄様……?」」

「リ、リィンさん……?」

リィンの申し出を聞いたリフィアは興味ありげな表情をし、エリゼとエリス、そしてアルフィン皇女は戸惑いの表情でリィンを見つめた。



「言ってみろ。誘拐されかけたエリスの家族―――シュバルツァー家の跡継ぎであり、”七大罪”の一柱と”精霊王女”を我らメンフィルの戦力として引き込んだ功績を残しているお前にも当然発言の権利はある。」

「ハッ、ありがとうございます。まずはエリスが陛下達に無許可でアルフィン皇女殿下の付き人を務めていた件についてですが……昨日(さくじつ)大使館を抜け出してお忍びで帝都に来訪し、エリス達と出会っているリフィア殿下がエリスがアルフィン殿下の付き人に指名されている事を知る事もできたと思われます。」

「なぬ?それはどういう事じゃ?」

「に、兄様……?一体何を……」

リウイの問いかけに答えたリィンの推測を聞いたリフィアは眉を顰め、エリゼは戸惑いの表情でリィンを見つめた。



「昨日、リフィア殿下はエリスとアルフィン皇女殿下が親しくしている所を御身の目で見ていました。――――皇族が特定の貴族と親しくなる。この意味は聡明な陛下やリフィア殿下ならお分かりになるかと愚考いたします。」

「―――なるほどな。通常皇族が特定の貴族と親しくしていると、その貴族は大抵付き人に命じられる。確かにその事に気付かずに友人同士と思われる程親しい様子を見せているアルフィン皇女やエリスに二人の関係すら尋ねなかったリフィアの落ち度だな。」

「むう………言われてみれば確かにそうじゃな……」

リィンの指摘に納得した様子で聞いていたリウイは口元に笑みを浮かべてリフィアを見つめ、リフィアは唸った後疲れた表情で溜息を吐いた。



「そしてエリスが攫われかけてしまった件ですが…………ここは陛下の寛大な御心で、大目に見て頂けないでしょうか?幸いエリスは”陛下が常任理事を務めているトールズ士官学院に所属する俺達が無事奪還する事ができ”、目立った傷もありません
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