第90話
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〜グランアリーナ〜
「さてと……大丈夫?プリネ。」
審判の宣言を聞いたカーリアンはプリネに手を差し出して尋ねた。
「はい。大丈夫です。…………っつ!?」
差し出された手を握って、立ち上がったプリネは壁にぶつかった衝撃に伝わって来て、まだなくなっていない痛みに顔を顰めた。
「あっちゃ〜……ちょっとやりすぎちゃったかしら?」
痛みで顔をしかめているプリネを見て、カーリアンは気不味そうな表情をした。
「このくらいの痛み、大丈夫ですよ。鍛錬の時もそうですが、いつも心配をして下さって、ありがとうございます。」
「あんたはペテレーネ似だからね〜。あの子に攻撃しているみたいに感じて、ちょっと罪悪感を感じるのよ。」
「もう……これでもお父様の娘でもあるのですから、そんな甘やかし方はいいですよ………ファーミシルス様みたいに、もっと厳しく鍛えて頂いてもよかったのですよ?」
カーリアンの言葉を聞いて、プリネは溜息を吐いた。
「ちょっと……あの冷血女と比べないでよね〜。」
プリネの言葉を聞いたカーリアンは顔をしかめて答えた。
「フフ……すみません。決勝ですが、カーリアン様には悪いと思いますがエステルさん達を応援させてもらいますね。後、あまりやりすぎないで下さいね?」
「はいはい。そんなに心配しなくても大丈夫よ。じゃあね♪」
そして2人はそれぞれ控室に戻った。
〜グランアリーナ・観客席〜
「ああ〜……負けちゃった……」
「さすがのプリネも相手が悪かったか………」
観客席でプリネ達の試合を見て、プリネの敗北にエステルはがっかりし、ヨシュアは複雑そうな表情で答えた。
「おのれ、カーリアン婆め!ここは年寄りはとっとと引っ込んで、未来を担うプリネに勝ちを譲るのが普通だというのに……!全く、相変わらず大人げないな!」
(………この場合、エヴリーヌもそうなのかな?だとすると凄い複雑な気分……)
プリネが負けた事をリフィアが怒り、呟いた事を耳にしたエヴリーヌはカーリアンやリウイより遥かに生きている自分が当てはまるかもしれない事に気付き、なんとも言えない表情になった。
「ご主人様……………」
「気を落とさないでね、ツーヤちゃん。プリネさん、凄くいい試合をしていたよ。」
「うん……ありがとう、ミントちゃん。」
一方プリネが負けた事に落ち込んでいるツーヤを見ていられなく、ミントはツーヤを慰めた。
「………あたし、ご主人様が心配だからちょっと行って来る!」
「あ、ツーヤちゃん!」
そしてツーヤはミントの制止の声を背中に受けて、観客席から控室に向かって走り去った。
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