〜武術大会・1回戦〜前篇
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トは挑発した。
「このっ……」
「ガキの挑発に乗るなよ。いいな、くれぐれもおかしな事を考えるんじゃないぞ。」
そして兵士達は控室を出た。
「ねえ……一体どうなってるのよ。どうして、あんたたちが武術大会なんかに出てるわけ?」
「デュナン公爵あたりに出場しろと言われたんですか?」
「確かに、俺たちを出場させようとか言いだしたのはその何とかっていう公爵らしいぜ。試合に勝つたびに刑を軽くしてくれるんだってさ。」
エステルとヨシュアの疑問にキールは説明した。
「し、信じられないことするわね。」
「全くだ!あの放蕩者は何を考えているのだ!?」
「エヴリーヌは遊べる玩具が増えるから歓迎だよ、キャハッ♪」
ドルン達の出場にデュナンが関わっている事にエステルやリフィアは呆れ、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべた。
「ふーむ、法治国家とも思えないような独断っぷりだな。」
「ハッハッハッ。何ともお茶目さんな公爵さんだ。」
「万が一、優勝なんてしたらどうするんだろうね………」
ジンは信じられない思いになっており、オリビエは笑い、ヨシュアは溜息を吐いた。
「まあ、せっかくの申し出だ。刑が決まってムショに移される前にできるだけ稼いでおこうと思ってな。もっとも……それだけが理由じゃねえけどよ。」
「へ……どういうこと?」
ドルンの言葉が気になったエステルは目を丸くして、尋ねた。
「うっさいなあ。あんたたちには関係ないだろ。ボクたちだってそれなりの意地はあるんだよ。」
「僕たちと戦うために参加したんじゃないとすると……特務兵たちと戦うためですか?」
「な、なんで……」
誤魔化そうとしたジョゼットだったが、ヨシュアに言い当てられて、驚いた。
「くっ……その通りだぜ。あいつら、味方のフリして俺たちのことをハメやがったんだ!情報部とやらの勢力を拡大するためのダシとして使い捨てやがったのさ!」
「まあ、だまされた俺たちもマヌケといえばマヌケだけど……。それでも、エゲつなさすぎだぜ。」
本当の目的をヨシュアが言いあてたので隠すのをやめたドルンやキールは本音を語った。
「うーん、確かに……。そう考えてみるとあんたたちも不憫よねえ。」
「だ〜から、哀れみの目でボクたちを見るなってばぁ!ボクたちに借りがあるクセにっ!」
「へ?あんたたちに借りって……?」
ジョゼットの言葉にエステルは首を傾げた。
「フフン、この前の出来事さ。お前さんたちが要塞にいたことを連中に知られるとマズイんじゃないのか?」
「あ……」
得意げに話すキールの言葉にエステルは表
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