第87話
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位置についてください。」
予選試合と同じようにクルツ達と王国軍の兵士達は配置に着いた。
「双方、構え!」
両チームはそれぞれ武器を構えた。
「勝負始め!」
そしてついに武術大会本戦が始まった!
試合は予選のようにグラッツ、アネラスが前衛として王国軍の兵士達と武器を交え、クルツは中衛の位置で自身が会得している東方の技の一つ――”方術”で兵士達の戦闘で傷ついたグラッツ達の傷を癒したり、援護攻撃をし、カルナは強力なアーツで兵士達を纏めて攻撃したり、銃で正確な射撃で攻撃した。そして試合は終了し、クルツ達の勝利となった。
「勝負あり!蒼の組、クルツチームの勝ち!」
「やった!カルナさんたちの勝ちだわ!」
控室から試合を見て、結果がわかったエステルは喜んだ。
「さすがはリベールの遊撃士ってとこか。揃いも揃って大した腕前だぜ。」
「たしかに人数こそ少ないがそれぞれが一騎当千のようだね。」
「もし試合で当たったらかなり苦戦させられそうですね。」
ジン達はクルツ達の実力に感心していた。
「ふむ。……シェラザード以外の正遊撃士の実力は初めて見たが……なかなかやるではないか。あの実力ならファーミシルス自ら鍛えている親衛隊の者達と並ぶかもしれんな。」
「ん。あれなら多少手加減しても楽しめそうだね。」
クルツ達の実力を高評価しているリフィアの言葉を肯定するようにエヴリーヌは頷いた。そしてクルツ達が戻って来た。
「先輩たち、ナイスファイト!」
「よう、いい勝負だったぜ。」
「はは、『不動のジン』にそう言ってもらえるとは光栄だ。」
「さすがに予選と違ってほとんど余裕はなかったけどな。」
エステルやジンに勝利を祝われたクルツ達は余力を残しているかの表情で答えた。そして次の試合開始のアナウンスが入った。
「続きまして、第二試合のカードを発表させていただきます。南、蒼の組―――カルバード共和国出身。武術家ジン以下4名のチーム!北、紅の組―――チーム『レイヴン』所属。ディン選手以下4名のチーム!」
「あたし達の番だわ!」
「しかも相手はあの人たちか……」
「フフ、優雅さに欠ける相手だがなかなか面白い試合になりそうだ。」
「よーし、アリーナに出るぞ!」
ジンの言葉に頷いたエステル達はアリーナに出た…………
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