四畳半の殺人
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ぶっちぶち、プロットはぐっだぐだ。読んでて疲れるんだよ!!」
「何だと!!疲れるのはお前が文盲だからだろう!?」
…俺雪中に壕でも掘ってビバークしようかな…。
「――待て。おかしいな」
あっ、土浦が二語文以上話している。これは、余程の『おかしな箇所』に気が付いてしまったのだろう。言葉こそ少ないが、頭の悪い奴じゃないのだ。
「何だ、土浦。言ってみろ」
「点呼するぞ。水沢」
「えっ…は、はい」
「1。次、秋野」
「………はい」
「2。次、緑川」
「…おう」
「3。次、嵐山」
「あ、はい?」
「4。そして、俺が5」
―――こいつは、何を言っているのだ。
「俺たちは、何人で山に入った?」
「えっ確か5人で」
「5人、だな」
土浦は、そっと視線を下げた。
「―――そして、こいつで、6」
―――氷室で、6。
「う、うわああぁぁああ!!」
そうだ、そうだそうだ俺は、俺たちはどうして気が付かなかったんだ!?一人増えていることに!?
「あれ?あれ?おかしいなそもそも最初から…いや、最初…宿は確かに5人で取ってる。俺が幹事だから間違いない!!」
秋野が叫ぶ。
「新幹線で駅弁を買ったのは俺だ…5人分だよ!!ほらレシートがある!!」
水沢はもう、さっきから震えが止まらないし涙目だ。
「登山計画書…俺が書いた。5人分」
「まじか!?誰の名前を書いた!?」
「わ、分からない…全員書いた…そう覚えてる。でも5人だ!7人まで書けるフォーマットだった。空欄が二人分空いてるのを確認している!」
俺の言葉が終わるや否や、囲炉裏の灯る4畳半は静まり返った。骸を置いた一畳、そして囲炉裏の分の半畳。残された3畳で、5人の男がひしめき合う。うち1人は…。その息苦しさは半端ない。泊りの山行で寿司詰め状態は慣れていると思っていた。
…いや、この息苦しさは未知の奴だ。お互いがお互いを無言で探りあっている。傍らに転がる骸でさえも、俺たちを探っているような気さえする。
―――骸が。
―――そう、骸が。
俺はがばと顔を上げて、皆の顔を見渡した。
「……雪が、収まったようだな」
秋野が呟いた。
「夜も明けた。視界は、まあまあってとこか…皆、足は大丈夫か」
嵐山が、ザックを引き寄せた。
「俺は平気だ。皆もだろ」
水沢が囲炉裏の縁にかけていた靴下を回収し始めた。
「…駄目でもいくわ。足引きずってでもな」
俺は、立ち上がった。
結局、誰が未知の6人目だったのか。それはもう知る由もない。
登山計画書もあえて確認しなかった。登ったのは5人。降りたのも5人。なんの不都合もない。嫌な言い方をすれば、死人に口なしというやつだ。
卒アルも、サーク
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