第4話 僕と彼女の小さな思い出
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できないし、多分肯定させる権利もない。だけど僕は凛ちゃんには笑っていられる場所にいて欲しいんだ。」
「笑っていられる、場所?」
「うん、もしそれが”走ること”じゃないって言うなら、僕は否定しない走ることを続けるかそうでないか。僕はどっちでも構わない。花陽ちゃんがここをどう思ってるかはわかんないけど...多分きっと後ろの花陽ちゃんもこう言うと思う。どうかな?花陽ちゃんは」
春くんはりんを抱きしめるかよちんに向けて会話を託す。
「...うん!私も春人くんと同じ!私、凛ちゃんの笑う顔が大好きだよ♪」
「かよ...ちん」
「でしょ?だから僕達の願いはそういうことなんだよ。だから凛ちゃん...僕たちからのお願いを...もう一度聞いて欲しいな?」
───一番楽しくて嬉しくて、笑っていられる、そんな場所で...ずっと笑顔でいて欲しいな?
春くんのお願いは明確で単純で...とても心がポワッて温かくなるお願いだった。
だからりんは迷うことなく答えは出すことができたんだ。
───わかったよ...春人くん
りんが”私らしく”いるために、ずっとずっと心から笑っていられるために。春くんとかよちんは教えてくれた。
相手の事とか、そういうのも大事だけど...なによりも優先することは”自分が思いっきり楽しくいられる場所”
「ほら、帰ろ?」とりんの手を引っ張る幼馴染の春くんとかよちん。
嬉しさのあまり、
「よーし!!!今日は春くんの奢りでラーメン食べにいっくにゃ〜〜〜!!!!」
〜☆〜
「...ははっ、懐かしいね。あの時だけだったよね、僕の事を初めて”春人くん”って呼んでくれたの。」
「は、恥ずかしいからそんなところ掘り返さないで欲しいにゃ。」
「はは、ゴメンゴメン」
懐かしさと、むず痒さのあまり鼻頭を触りながら物思いにふける。
あの時の凛は大勢の人からのプレッシャーに負け、不安そうな姿で走っていた。それは観客席から見ていた僕と花陽にも明らかに見て取れた。
だから僕はあの時言ったんだ、”ずっと笑顔でいて欲しい”って。
「それでね、春くん。言いたいことがあるんだよね」
「最初に言ってた話だね。」
「あの時は嬉しさと...まぁいろいろあって言うの忘れてたんだけど」
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