第4話 僕と彼女の小さな思い出
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ーシューともやしと...コーンと...なんだっけ?」
「味付け卵二つにゃ!!!それにメンマともやしは増し増しに決まってるにゃ!!!」
「ふふっ、凛ちゃん元気だね♪」
「元気って...え?」
かよちんに指摘されて初めて気付く。りんはさっきまで落ち込んでたのにラーメンの話を持ち掛けられてすぐにテンションが上がってしまった。
これを”ゲンキン”っていうのかにゃ?りんは勉強嫌いだからわかんないけど...多分単純なんだと思う。
春くんはりんににっこり微笑んで「ほら、行こ?」と先頭を歩きだす。
「ね、ねぇ春くん、かよちん」
「なぁに?凛ちゃん」
「......ゴメンね?」
「どうして謝るの?」
...りんが謝る理由はきっとりんが言わなくても春くんはわかってる。かよちんもわかってる。かよちんは凛を見て目を閉じながら様子を見守っている。
「凛、走れなかった。かよちんと...春くんを悲しませちゃったにゃ。他の人の気持ちに応えられなかった。ゴメンね...二人とも、ゴメンね。」
「凛...ちゃん」
「......」
涙を零した。泣いたのは...多分”あの日以来”
零れた涙は頬を伝い、ポツリポツリと床に後を残していく。
春くんは微かに笑みを浮かべてりんの前に立ち、優しく髪を撫でる。
「泣かないで、凛ちゃん」と声を発した春くんは全然悲しそうな表情をしていなかった。
「凛ちゃんがその大会で優勝するとか、優秀選手に選ばれるとか、僕にとってはそこまで重要じゃないんだ。多分きっと花陽ちゃんもそうだと思う。もし凛ちゃんがそういうの目指してるって言うのなら話は別になるけど...凛ちゃんは”走ることが大好き”だってことを僕たちは知ってるから...僕はそんな凛ちゃんを見るのが好きなんだ。」
「春...くん?」
「凛ちゃん」
ぎゅっと。
りんの後ろからかよちんが抱きしめてくれた。
「私はね、凛ちゃんが楽しそうにいろんなところを走ってる姿を見るのが大好きなんだ♪」
「そうだよ凛ちゃん。今日はたくさん人からの”期待”だとかで精神的に辛かったかもしれない。でも僕は、小学生の時からずっと見てきた”星空凛”っていう可愛い女の子はいつも明るく元気で、くよくよ悩むより体を動かすことが大好きで...可愛い女の子なんだ。」
「...可愛くなんて、ないよ」
”可愛い”という言葉にかぶりを振りながら否定する。
「僕や花陽ちゃんは凛ちゃんの事を可愛いって思ってる...それは誰にも否定させるつもりもないし...できれば、凛ちゃん自身にも否定してほしくないかな。でも僕には強制
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