第一章
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いや、実家はもう物凄いですから」
ジャーファルはバルダートに笑って返した。
「桁が違うんだよ」
「そうなのかい」
「何しろ宝石商で」
「宝石かい」
「そうなんですよ、観光客相手のホテルも二つ持ってまして」
「それは凄いな」
「一番上の兄さんがまたやり手で」
その家を継いだ彼がというのだ。
「ホテルもう一つ増やすとか」
「それはまた凄い金持ちだな」
「はい、僕の店なんかとてもですよ」
「足元にも及ばないか」
「そうなんですよ」
「つまりあんた金持ちのボンボンか」
「そうなりますかね」
笑って応えるのが常だった、カイロの強い日差しと砂の街の中でいつもこうして話をしているのである。仕事が暇な時は。
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