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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第79話
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「ああ、元々は私の発案さ。もちろんARCUSの適性が高いというのも条件だったがね。」

オリヴァルト皇子の説明を聞いたリィン達全員は黙り込んだ。

「……今となってはその意図も何となくわかります。こうして”特別実習”という名目で各地に向かわせることの意味も。」

「この帝国で起きている実情……貴族派と革命派の対立を知らしめ、考えさせるのが狙いですか。」

「無論、それもある。だが私は君達に現実に様々な”壁”が存在するのをまずは知ってもらいたかった。その二大勢力だけではない、帝都と地方、伝統や宗教と技術革新、帝国とそれ以外の国や自治州までも……この激動の時代において必ず現れる”壁”から目を背けず、自ら考えて主体的に行動する―――そんな資質を若い世代に期待したいと思っているのだよ。」

「あ……」

「……それは…………」

オリヴァルト皇子の答えを聞いたリィン達は再び黙り込んだ。



「正直、身に余る期待ですけど……」

「ですがようやく、色々なものに合点がいった心境です。」

「たしかにこの”Z組”ならばそんな視野が持てるかもしれない……」

「そういった手応えが自分達の中にあるのも確かです。」

「……だね。」

「フフ、そうか……そう言ってくれただけでも私としては本望だ。”Z組”の発起人は私だが既にその運用からは外れている。それでも一度、君達に会って今の話だけは伝えたいと思っていた。そこにアルフィンが、今回の席を用意すると申し出てくれてね。」

Z組の面々の答えを聞いて静かな笑みを浮かべたオリヴァルト皇子は話を続けた。



「そうだったんですか……」

「フフ、お兄様のためというのもありますけど。エリスの大切なお兄さんに一度、お会いしたかったのもありますね。」

「ひ、姫様……!」

「フフ、お兄様は素敵な方ですものね。」

「………………」

リィンを見つめて微笑むアルフィン皇女とセレーネの答えを聞いたエリスは焦り、エリゼは顔に青筋を立てて微笑んでいた。



「はは……―――そういえばずっと気になっていたんですけど、プリネさんとツーヤさんの留学はオリヴァルト皇子の頼みという事でしたけど……」

「………エヴリーヌもまだ聞いてない。何でプリネ達をそっちの事情に巻き込んだわけ?」

リィンの疑問に頷いたエヴリーヌはオリヴァルト皇子を見つめた。



「そう言えば君達はまだ二人の留学した”真の理由”を知らなかったな……」

「”真の理由”、ですか。二人は両国の国家間の関係修復の為に留学していると聞いていましたが……」

オリヴァルト皇子の言葉が気になったユーシスはオリヴァルト
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