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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第78話
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えた方向を見つめたその時
「フッ、待たせたようだね。」
白いコートを身に纏ったリュートを手に持つ金髪の青年がリィン達に近づいてきた。
「……ご無沙汰しております。」
「ハッハッハッ。久しぶりだね、エリス君。まー、ラクにしてくれたまえ。」
エリスに会釈をされた青年は笑顔で答え
「フフ、こうして直に会うのは”影の国”以来ですね。」
「それも随分と懐かしい服を着て……もう、”オリビエ・レンハイム”に戻るつもりですか?」
「ハッハッハッ。久しぶりだね、プリネ姫、ツーヤ君。フフ、ボクはいつでも愛の狩人たる”オリビエ・レンハイム”に戻ってもいいんだけど、ミュラー君がうるさいから、もうしばらくは無理そうだねぇ。」
プリネとツーヤの言葉にも答えた青年はアルフィン皇女の背後へと移動した。
「……だれ?」
「えっと、どこかで見た事があるような……」
「フッ、ここの音楽教師さ。本当は愛の狩人なんだが、この女学院でそれを言うと洒落になってないからね。穢れなき乙女の園に迷い込んだ愛の狩人―――うーん、ロマンなんだが♪」
不思議そうな表情で見つめるフィーとエマの疑問に答えた青年は髪をかきあげ
「まあ……!フフ、面白い方ですね。」
「むしろ、”面白すぎて”もう少し真面目になるべきだと思うのだけどね……」
セレーネの言葉を聞いたツーヤは苦笑し
「……!」
「……もしや……」
青年の顔を見たユーシスとラウラは血相を変えた。するとその時!
「えいっ。」
「あたっ。」
なんとアルフィン皇女が立ち上がってどこからともなく取り出したハリセンで青年の頭を叩いた!
「お兄様、そのくらいで。皆さん引いてらっしゃいますわ。」
「フッ、さすがは我が妹……なかなかの突込みじゃないか。」
アルフィン皇女と青年の会話を聞いていたリィン達は冷や汗をかいて呆れた。
「ま、ま、まさか……」
「ひょ、ひょっとして……?」
二人の会話を聞いて青年の正体を察したマキアスとエリオットは信じられない表情をし
「フッ……オリヴァルト・ライゼ・アルノール―――通称”放蕩皇子”さ。そして”トールズ士官学院”のお飾りの”理事長”でもある。よろしく頼むよ――――”Z組”の諸君。」
青年―――オリヴァルト皇子は自己紹介をしてリィン達にウインクをした。するとその時
「そして余こそが!メンフィル皇女にして、次代のメンフィル皇帝たるリフィア・イリーナ・マーシルンだ!よろしく頼むぞ、”Z組”の者達!」
扉が思い切り開かれ、そこにはリフィアが胸を張っていた!
「おや。」
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