第二百五十四話 決着その二
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「しかしこうなればじゃ」
「御主自ら闘うか」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「御主を倒し生きてやるわ」
「ならばそうしてもよ」
長政も槍を手にしつつ返す。
「わしも御主を倒す」
「そうするというのか」
「必ずな」
こう二人で言い合い闘うのだった。
政宗は元親の横で津々木と対していた、元親は高田とだ。
そのうえでだ、津々木の顔を見て言うのだった。
「ふむ、如何にもじゃな」
「如何にも。何じゃ」
「闇の者じゃな」
その隻眼で見つつ言うのだった。
「それがよくわかるわ」
「わしがそうした者だとか」
「そうじゃ、顔が暗く目の光も暗い」
そこから言うのだった。
「如何にも闇の者じゃ」
「そしてそのわしをか」
「今から討つ。覚悟せよ」
右手に短筒、左手に刀を出して言うのだった。
「苦しまぬ様にしてやる」
「そうか、受けて立とう」
「御主自身には怨みはないが」
かつて操られた信行ならともかくだ、だが信行は今は鉄甲船にいて全体の動きを見ている。いざとなれば信長を助ける為にそこに控えているのだ。
「しかし天下の為じゃ」
「天下か」
「わしはかつて天下を望んでいた」
このことを隠さず言うのだった。
「しかし今は違う」
「天下人にならずにか」
「天下の泰平を守る」
まさにそのことがというのだ。
「今のわしの望みじゃ」
「だからか」
「わしは御主を倒す」
魔界衆の棟梁である彼をというのだ。
「では行くぞ」
「それではな」
津々木も受けて立つ、そして。
元親は高田と対していたl、朝廷に潜んでいた彼にも名のある者が向かい死闘がはじまろうとしていたのだ。
羽柴は崇伝を見た、そのうえで彼に言った。
「御主、どうも」
「何じゃ」
「魔界衆の者達の中でもな」
まさにというのだ。
「悪い顔をしておるのう」
「顔のことを言うか」
「人相が悪い」
それも実にというのだ。
「室町幕府を裏から動かしたというが」
「その通りじゃ」
「天海と共に」
「言っておく、わしはじゃ」
崇伝は自らのことを言った。
「僧であるがじゃ」
「魔界衆の者か」
「妖僧と言われるな」
「そうした類の者か」
「そうじゃ、仏教も表を学ばずにだ」
その学ぶものはというと。
「裏じゃ」
「仏教の裏をか」
「学んできたのじゃ」
「それで左道をか」
「使っておる、だからじゃ」
「わしにもか」
「今は術は使えぬが」
それでもとだ、手に刃を出して言うのだった。
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