第86話
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尋ねた。
「さすがヨシュア君。鋭い質問じゃあないか。王都に来てから1月あまり……。一通り観光をしてしまって残るはグランセル城くらいだが無粋な兵士が入れてくれない……。他の地方にも行ってみたいが生誕祭が迫っているから今、王都から離れるのも忍びない……」
「よーするに、かなりヒマだと。」
芝居をしているかのように話すオリビエの言葉をエステルは省略した。
「そこに降って湧いたような定員が1人足りないという話……。さらにトドメに、優勝者には豪華な晩餐会へのご招待……。まさに女神の天啓といえようっ!」
「はあ……」
「そんな事だろうと思いました。」
案の定予想していた展開になり、エステルとヨシュアは溜息を吐いた。
「というわけで、ボクも武術大会の仲間に入れてくれないかな〜って。」
「いいんじゃねえのか?」
「わあ………それだったら、4人揃うね!よかったね、ママ!」
オリビエの頼みにジンは頷き、ミントは喜びの表情でエステルを見上げた。
「ちょ、ちょっとジンさん。そんな簡単に……。オリビエがどんな戦い方をするのかも知らないんでしょう?」
オリビエが最後のメンバーに入る事をあっさり了承したジンに驚いたエステルは尋ねた。
「得物は導力銃だろ?戦術の幅も広がるし、いいチームになると思うがね。」
「ええ〜っ!」
武器も出していないオリビエの得物まで言いあてたジンにエステルは驚いて声をあげた。
「これは……驚いたな。やはり脇の下のふくらみと歩き方で判ってしまうものかな?」
同じようにオリビエも驚いた後尋ねた。
「それと視線の動かし方だな。武術家だろうが剣士だろうが動く対象のとらえ方は線だが……。あんたは、相手の動きをポイントごとにとらえている。銃使いに特有の視線の動きさ。」
「ひょええええ、プロだわ……」
「なるほど……。確かに理屈ではそうなりますね。」
「ふえ〜………凄いね、ジンさん!」
言いあてた理由を話すジンにエステルは驚き、ヨシュアは納得した表情になり、ミントは尊敬の眼差しでジンを見た。
「フム……。今後、気を付けておくとしよう。で、その達人の目から見てボクは合格という事でいいのかな?」
「ああ、よろしく頼むぜ。」
「うーん。一抹の不安は残るけど……」
「オリビエさん。よろしくお願いします。」
その後、エステルたちは明日からの大会に向けて、夕食を堪能した。そして翌日、エステル達は武術大会に参加するためにグランアリーナに向かった……
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