第86話
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呆れた表情でエステルはオリビエを睨み、ヨシュアは尋ねた。
「フフフ……。余すことなく聞かせてもらったよ。これはボクの出番だと思ってね。……あ、ミント君。すまないがエステル君の膝の上に移動してくれないかい?」
「はーい!」
オリビエは髪をかきあげながら降りて来た後、椅子に座っているミントを移動させて、ミントが座っていた椅子に座った。
「あ、ちょっと……。なに勝手にミントを椅子からどかしているのよ?」
「ミント、ママの膝の上でも大丈夫だよ?それとも、ミントがママの膝の上に乗るの、ダメ?」
ミントはお願いする時の表情でエステルを見上げた。
「う………(そんな目で見られたら、断れないわよ〜!全く、このスチャラカ演奏家め!純真で可愛いミントを利用して!後でシメてやる!)そんな事ないわよ!ミントを肌で感じられるからあたしは嬉しいわよ?」
「ホント!?えへへ…………」
オリビエに対する怒りを秘めたエステルに気付かず、ミントは笑顔になった。
「たしか、ピアノを弾いてる演奏家の兄ちゃんだったな。お前さんたちの知り合いか?」
オリビエと知り合いのように話すエステル達にジンは尋ねた。
「知り合いっていうか、早くも腐れ縁というか……」
「……まだ知り合ってそんなに経っていないのにね。」
ジンの疑問にエステルはオリビエの出会いや共にした時、見せた行動を思い出して呆れながら答え、ヨシュアも苦笑しながらエステルの言葉に頷いた。
「ボクはオリビエ・レンハイム。エレボニア出身の旅の演奏家さ。エステル君とヨシュア君とは前にある事件で知り合ってね。それ以来、タダならぬ関係なのさ。」
「誤解を招く言い方はやめい!」
オリビエの紹介の仕方にすかさずエステルが突っ込んだ。
「ふーん、よく判らんが俺の方も名乗っておこうか。ジン・ヴァセック。カルバード出身の遊撃士で武術の道を志している。あんたのピアノにはいつも楽しませてもらってるよ。」
「フフ……。お誉めにあずかり光栄至極。ボクの方も、大会予選でのあなたの武勇は耳にしている。毎年優勝している美しく、扇情的なあの”戦妃”が予選で見せたように4人を相手にしてたった1人で圧勝したそうだね?」
「特務兵相手に圧倒勝ちした”戦妃”ほどじゃないさ。素人相手で運が良かっただけだ。で、その演奏家さんが俺たちに何の用だい?」
ジンが尋ねようとしたその時
「ちょっと待ったあああ!」
エステルが声を上げて話をさえぎった。
「オリビエさん……。ひとつ確認しておきますが……。ひょっとして最近、かなりヒマだったりしますか?」
エステルと同じように次の展開が予想できたヨシュアはオリビエに
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