第85話
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リフィア達と別れたエステル達はエルナンからジンの滞在場所を聞き、ジンの滞在場所である共和国大使館に行く途中、エステル達が通り過ぎようとした店からピアノが聞こえて来た。
〜〜〜〜〜〜〜〜♪
「ほえ?」
「あ……。これって……ピアノ?」
「うん、レコードじゃないね。中で誰かが引いているみたいだ弾いているみたいだ。このメロディー、どこかで聞いた覚えがあるんだけど……」
ミントとエステルは急に聞こえてきたピアノの音に首を傾げ、ヨシュアも頷いた後、聞き覚えのあるメロディーに首を傾げた。
「凄く綺麗な音だね、ママ!」
「そ、そうね。でもな〜んかイヤな予感が……」
嫌な予感がしつつも気になったエステル達はピアノが聞こえてきた居酒屋に入った。
〜グランセル市内・居酒屋サニーベル・イン〜
そこにはボースで別れたエレボニアの演奏家、オリビエがピアノを弾いていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜♪
(……やっぱりお調子者か。でも、演奏家なんてただの自称かと思ってたけど……)
(かなりの腕前みたいだね。プロの演奏家を名乗るだけはあるんじゃないかな。)
(うん……。ちょっとじーんと来ちゃうかも。)
エステルとヨシュアはオリビエの演奏に以外そうな表情をしながらも聞き入っていた。
(あれ?あの人、ママの知り合いなの?)
(あ〜、まあね。正直、ミントの教育には悪いから会わせたくなかったんだけどな……)
ミントに尋ねられたエステルは溜息を吐いた。そしてピアノの演奏が終わった。
パチパチパチパチパチ…………!!
演奏が終わると拍手が起こった。
「……今のは『琥珀の愛』といってね。本来は、オペラに使われる間奏曲でしかないのだけど……。そこはそれ、愛と真心でカバー。尽きせぬ愛とともに君たちに贈らせてもらうよ。」
拍手が終わった後、オリビエは静かに曲名を説明した。
「相変わらずのマイペースっぷりねえ……。はあ……感動して損した気分だわ。」
「お久しぶりです、オリビエさん。王都に来ていたんですね。」
「お兄さん。演奏、凄く上手だね!」
そこにエステル達がオリビエに近付いて来て、エステルは溜息を吐き、ヨシュアは挨拶をし、ミントはキラキラした表情でオリビエを見た。
「それはもちろん、大河に零れた人魚の涙が海に辿りつくように……。こうしてボクは、黒髪の王子様と感動の再会を果たしたわけさ。」
オリビエは片手で髪をかき上げて、エステル達を見た。
「……本当に相変わらずですね。」
「あー、はいはい。タワゴトはそのくらいにしてあ
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