第84話
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て、クルツは苦笑した。
「それにしてもいきなりルールが変更されて、本当に焦りましたよね。」
「あたしたちはまだいいさ。何とかメンバーも揃ったんだ。ジンの旦那なんか正直、困ってるんじゃないかねぇ。」
アネラスの言葉に頷くようにカルナがジンの現状を言った。
「あ、カルナさんたちもジンさんの知り合いなんだ?」
「ま、知り合って間もないけど名前だけは知っていたからねぇ。『不動のジン』って言って共和国じゃ有名な遊撃士なのさ。」
「どうやら、武術大会に出るためにリベールにやって来たらしいが……。さっきも言ったように大会が個人戦から団体戦にいきなり変更されてしまったんだ。」
「これが、例の公爵閣下の思い付きだったらしくてな。で、ジンの旦那は仕方なく1人で登録する羽目になったわけさ。」
エステルの疑問にカルナは頷き、クルツはルールが変わった理由を答え、グラッツはなぜジンが一人で参加しているかを答えた。
「そうだったんだ……。まったく、あの公爵ってのはロクでもないことばかりするわね。」
「はは、違いない。しかし、このまま彼の実力が発揮されないのは惜しすぎる。」
呆れて言うエステルの言葉にクルツは苦笑しながら、頷いた。
「だな。無名でもいいからある程度戦えるヤツがいれば……。……おっ!?」
同じように頷いていたグラッツはある事に気付いて、エステル達を見た。
「……おや…………」
「…………ふむ」
「……いいかも…………」
カルナやクルツ、アネラスも同じようにエステル達を見た。
「???な、なんなの?マジマジと見ちゃって……」
クルツ達に見られたエステルは戸惑いながら尋ねた。
「いや、ものは相談だが……。君たち、ジンさんに協力して本戦から出場してみないか?」
「え……。ええええええ〜っ!?」
「本戦からの参加って……。そんなの大丈夫なんですか?」
クルツの提案にエステルは驚き、ヨシュアも同じように驚いた後尋ねた。
「それは大丈夫だろう!実際、そこの戦闘狂や余とエヴリーヌだけの参加も認められていたしな!」
「ちょっと……それ、誰の事を言っているの!?」
リフィアの言葉に反応したカーリアンはリフィアを睨んだ。カーリアンに睨まれたリフィアはカーリアンの睨みを無視して、エステル達に言った。
「あのジンとやらはかなりの実力を持っているようだが、さすがに一人で正遊撃士4人は厳しいだろう。だからエステル!お前達があの者に助力してやれ!」
「ジンの旦那も遊撃士の助っ人が他にいないかエルナンに頼んだみたいでな。ただ、シェラザードは忙しいらしいし、アガットのヤツとは連絡がとれ
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