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アリシゼーション人界編
73小さな夢
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十年前
「なぁ兄さんの夢ってなんだ?」
「俺の夢か?そうだなぁ……世界の争いを無くすことかな?」

あれから十年、あのとき兄貴が俺に語った夢。それは俺にとっていつまでたっても子供の絵空事にしかおもえなかった。でもまさかその夢が叶う直前に来ていたなんて俺はこの時思ってもいなかった。

2026年6月
太平洋沖を進む一つの船があった。今アスナはそのなかにいた。事の発端は3日前に遡る。アスナはキリトとシノンとともにダイシーカフェで話していた。サトライザーという謎のGGOプレイヤーの事やキリトが最近バイトをしているラースについて話した後の帰り道でラフコフの残党に襲撃された。その際にキリトがサクシニルコリンを体に打たれ瀕死の重症となってしまった。幸いにも一命はとりとめたが脳に大きな損傷を受けてしまいもしかしたら二度と目を覚まさないかもしれない状態になってしまった。そして治療のため別の病院に搬送中キリトは救急車ごと失踪した。キリトが失踪したことに気付いたアスナはシノンやリーファ、ユイとともにキリトの行方について話していた際キリトがバイトをしているラースという会社が怪しいと言う結論にたどり着いた。ラースに乗り込むためアスナは茅場のかつての恋人だった神代博士にコンタクトを取った。そして博士の助手に変装してオーシャンタートルに乗り込むことに成功した。

「それじゃあまずアリシゼーション計画の目的を説明しようか」
アスナと神代博士はオーシャンタートルで行われているアリシゼーション計画について説明を受けていた。
「アリシゼーション計画の最終目的は我々日本が新しい兵器を作ること。日本にある兵器は全て他の国のお下がりだ。もし今戦争になれば日本に勝ち目はない………だが我々日本が新しい兵器を作れば他の国に引け目を取らない。最もリュウヤ君にそんな考えはないみたいだけど……」
「リュウヤ君?!」
意外な名前が出て驚くアスナ。
「アリシゼーション計画のプロジェクトリーダーなんッスよ。リュウヤ君は」
「比嘉君の言うとおりリュウヤ君の力がこの計画に大きな影響を与えているからね。話を戻そうリュウヤ君はこの計画を小さな夢と呼んでいてね……彼にとっての最終目的は抑止力と世界平和だ。アスナ君考えてみたまえ………究極の破壊兵器が制御不能で人類に牙を向く様子を」
菊岡にそういわれリュウヤに借りて読んだ本に出てきた蜘蛛形の破壊兵器を思い出すアスナ。その破壊兵器が世界を滅ぼす姿を思い浮かべ恐怖する。
「それだよアスナ君。リュウヤ君は僕達が製作している兵器に人類無差別殲滅の能力をつける事によって世界に、『我々の力を使えば世界を滅ぼす事が出来る』と警告を発信するつもりさ」
「そしてリュウヤ君はその先の夢として仮想戦争を提案する予定ッス」
「仮想戦争?」
「今世界で起きてる戦争を
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