第20話「しゅうげき」
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シャッターを開けようとして火傷しかけた蘭に代わり、俺が開ける。
「っ、っと。」
温度覚がほとんどなくなっているが、それでも熱く思えた。
なので、一気に開ける。
「...って、遼たちか...。」
「...胡桃?なにしてんだ?」
開けると、なぜか胡桃と先生が警戒態勢に入っていた。
「いや、シャッターの前で物音がしたからさ。」
「あぁ...。」
相手は銃火器持ち。俺らがやられた可能性もあるから、警戒してたんだな。
「とりあえず、火事以外の危険はなくなったから俺らも避難しにきた。」
「そうなのか。とにかく、入ってくれ。」
俺たちはシャッターの中に入り、シャッターは俺が閉じておく。
「皆は?」
「地下二階にいる。...りーさん、結構ショックを受けてるみたいだ。」
...助けかと思ったら、殺しに来たうえに火事だもんな...。
「分かった。すぐ行こう。」
俺たちは小走りで地下二階へと向かった。
「あ、胡桃ちゃん!...遼君と蘭ちゃんも!」
下に降りると、由紀が出迎えてくれた。
「ぁ...二人共....。」
「...大丈夫か?悠里。」
どう見ても無事じゃない様子で、悠里は美紀と圭に介抱されていた。
「...よかった....無事で...本当、よかった....!」
「...悠里先輩、ずっと遼先輩と蘭先輩の事を心配してたんです。」
突然泣き出した悠里に戸惑う俺らに、美紀が補足してくれる。
「...大丈夫だ。後は、しばらくここにいれば、危険はなくなる。」
「っ...遼、君....!」
悠里は俺を見上げるように見ながら、大きく泣き出してしまった。
...今までずっと溜め込んできた辛さも一緒に吐き出しているのかもな。
「...そういえば、遼君。...あの、ヘリの人達は...?」
「....墜落させた際、一名以外全員死亡しました。」
一瞬、由紀や皆のために少し誤魔化そうとしたが、そうしても何の意味もないので、正直に話す事にした。
...由紀が聞いているけど、いいのか?平然とはしてるけど...。
「っ....!」
「墜落した後、俺たちは様子を見に行きましたが、その残った一名が瀕死の状態で俺を殺そうとして、そのまま力尽きました。....つまり、全滅です。」
今まではゾンビとなって、必死にあれは同じ人間じゃないと思い続けていた皆だが、同じ人間が死んだ事を思い知らされ、つい息を呑んだ。
「目的も不明瞭。なんでここにいるのが分かったかも不明。...ただ、おそらく奴らは俺たちに生きていてほしくない“理由”があり、どうし
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