終章〜王都繚乱〜 外伝〜囚われる白き翼〜
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と?」
「それが常識だと思うが。」
常識外の事ばかり行っているオリビエに言っても無駄と思いつつ、ミュラーは指摘した。
「そういう事ならお任せあれ。コホン……」
オリビエはわざとらしく咳払いをすると
「お願いします、ご主人様っ♪どうか教えてくださいませっ♪」
ポーズを決めて、猫撫で声でミュラーに情報を話すよう求めた。頼まれたミュラーは固まった。
「あれ、外したかな?それじゃあ、お次はこれだ。」
ミュラーの様子を見たオリビエはその場で跪いた。
「アニキー!一生のお願いじゃあああっ!どうか教えてくれぇぇい!」
「もういい……。頭が悪くなりそうだ……。話してやるから黙ってろ。」
オリビエの態度に呆れ果て、とうとう折れたミュラーは言った。
「ワァイ。」
ミュラーの言葉を聞き、オリビエはすぐに立ちあがった。
「例の『彼』だが……。ようやく足取りが見つかった。どうやら一月前までエレボニアの遊撃士協会にいたらしい。」
「へえ……?」
ミュラーの情報にオリビエは首を傾げた。
「ここ数ヶ月の間、エレボニア各地の協会支部が立て続けに襲撃された。その事件を調査していたらしい。」
「襲撃ねぇ……。まさかとは思うけどどこかの部隊の仕業だったりする?」
「さすがに……。10年前とは事情が違うさ。俺の知る限り、どの部隊にも出動命令は下されていない。何者かに雇われた猟兵団の仕業だった可能性が高そうだ。いずれにせよ、事件解決と同時に彼の足取りは途切れてしまった。」
ミュラーは真剣な表情で語った。
「ふーむ……参ったな。せっかくリベールに来たのに完全に入れ違いだったわけか。」
「まあ、そういうことだ。目当ての人物がいない以上、この地に留まる必要はあるまい?もう一人のほうも、身分を隠してそう簡単に会える人物でない事はわかっているだろう?どうやら予想以上に激しい嵐が近づいているようだ。巻き込まれる前に帝都に戻るぞ。」
溜息を吐いているオリビエにミュラーは淡々と言った。
「はっはっは、ご冗談を。せっかく始まる極上のオペラに参加しないという手はあるまい?」
「……なに?おい、まさかお前……」
嫌な予感がしたミュラーはオリビエを睨んで尋ねた。
「役者もそろいつつあるようだ。あいにく、主役は不在だが代役には心当たりがあってね。あの5人なら、必ずや自力で舞台に上がってきてくれるだろう。」
ミュラーの睨みを無視して、オリビエは静かに語った。ついにリベールに渦巻く陰謀の歯車が着々と回り出した…………
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