第78話
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ル大佐……。たしか貴様もカシウスの元部下だったか?」
博士は憎々しげな表情でリシャールを見て、言った。
「おお、そういえば博士は彼と交友があったのでしたね。カシウス・ブライトの行方は我々も捜しているのですがいまだ突き止められなくてね。心当たりがあるのなら教えて頂きたいものですが……」
「知らん。知ったところで教えるものか。」
リシャールに尋ねられた博士は鼻をならして、答えた。
「フフ……まあいいでしょう。もし、この『ゴスペル』が彼の元に届けられていれば困ったことになっただろうが……。今さら彼が現れたとしてもこの流れを止めることはできない。」
「『黒の導力器』……いや、『ゴスペル』とか言ったか……。貴様ら、それを使って何をしでかすつもりじゃ?いや、そもそも……そんな得体のしれない代物をいったいどこから手に入れた?」
「ある筋からと申し上げておこう。我々の目的は……まあ、すぐに明らかになりますよ。それが分かった頃には博士を解放して差し上げますからそれまでゆっくりなさってください。」
「貴様らの悪事を知る者を平気で解放しようとするとは……。よっぽど大それたマネをしでかすつもりらしいな?」
「ハハ、想像にお任せしよう。しかし事が成ったあかつきには個人的に、博士の研究を援助させていただくつもりです。新たな発明で、このリベールをより豊かにして頂くために、そしてゆくゆくはあのメンフィルを越えるためにも………」
博士に尋ねられたリシャールは勝ち誇った笑みを浮かべて答えた後、博士に今後の協力を求めた。
「けっ、お断りじゃい。貴様らのような存在なんぞ、メンフィルやあの”覇王”からしてみれば目にもとまらん存在だ。無謀に挑んで、とっとと敗北と後悔を味わうがいい。」
博士はリシャールの要請を鼻を鳴らして否定して、悪態をついた。
「博士。あまり聞き分けのないことをおっしゃらないでくださいな。博士のお孫さんに万が一のことがあった時に助けてあげられませんわよ?」
博士の悪態の言葉を聞き、カノーネは不敵な笑みで答えた後、尋ねた。
「こ、小娘が……。またそれでわしを脅すか……!」
カノーネの脅しの言葉に博士はカノーネを睨んだ。
「やれやれ、カノーネ君。君の交渉のやり方は、いささか優雅さに欠けるのではないかね?」
「うふふ……失礼しました。」
「彼女は、どうも特殊なユーモアセンスの持ち主でね。誤解して欲しくないのですが我々はみな、国を憂える一介の軍人に過ぎないのです。民間人を巻き込むつもりは一切ないと誓っておきましょう。」
「憂国の士気取りか……。そして、あらゆる導力現象を停止させる漆黒のオーブメント……。なるほど、貴様らの目的、何と
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