第76話
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「そ、そんな……そんなのっておかしいわよ!目の前で起きている悪事をそのまま見過ごせっていうわけ!?」
「そうだよ!先生を傷つけたり、ティータちゃんのお祖父ちゃんを攫った悪い人を見逃すなんて、ミント、我慢できないよ!」
「あたしもあの人達の事は許せません………!」
「ツーヤ……」
キリカに規約の事を言われ、アガットは舌打ちをして苦い顔をし、エステルやミントは憤慨した。また、静かな怒りを抱いているツーヤを見て、プリネは複雑そうな表情でツーヤを見ていた。
「エステル、確かにそうだが、どんな決まり事にも抜け道はある。例えそれが法律であろうとな。キリカとやら、恐らくギルドの規約にもあるのだろう?」
皇位継承者のため、法律についてより詳しい事を知っているリフィアは落ち着いた声で話し、キリカに確認をした。
「ええ。協会規約第2項。『民間人に対する保護義務』……『遊撃士は、民間人の生命・権利が不当に脅かされようとしていた場合、これを保護する義務と責任を持つ。』……これが何を意味するかわかる?」
「なるほど……博士は役人でも軍人でもない。保護されるべき民間人ですね。」
キリカの話にヨシュアは確認するように聞いた。
「そ、それじゃあ……」
そして会話を聞いていたエステルは期待を持った。
「あとは……工房長さん、あなた次第ね。この件に関して王国軍と対立することになってもラッセル博士を救出するつもりは?」
「……考えるまでもない。博士は中央工房の……いや、リベールにとっても欠かすことのできない人材だ。救出を依頼する。」
キリカに聞かれ、マードックは迷いなく答えた。
「工房長さん……!あ、ありがとーございます!」
「礼を言う事はないさ。博士は私にとっても恩人だしね。」
それを聞いたティータが笑顔でお礼を言った。
「これで大義名分は出来たわ。……遊撃士アガット。それからエステルにヨシュア。レイストン要塞内に捕まっていると推測される
ラッセル博士の救出を要請するわ。非公式ではあるけど遊撃士協会からの正式な要請よ。」
「了解しました。」
「そう来なくっちゃ!」
「フン、上等だ。そうと決まれば潜入方法を練る必要があるな。何しろ、レイストン要塞といえば難攻不落で有名な場所だ。」
キリカの要請に力強く頷いたアガットはレイストン要塞の攻略方法をどうするか考えた。
「そうですね。実際、かなりの警戒体制でした。侵入できそうなルートがどこかにあるといいんですけど。」
「残念だけど……。あそこの警備は完璧に近いわ。導力センサーが周囲に張り巡らされているから湖からの侵入も難しそうね。」
「フン……。そんな
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