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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第73話
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7月25日――――
翌日、エリオットと合流したリィン達は実習課題の消化を始め、課題の一つである手配魔獣の撃破をした後、地下道からオスト地区への抜け道に出るとちょうど正午の鐘がなり、マキアスの提案によってランチをテイクアウトした後マキアスの実家で食べる事になり、マキアスにコーヒーをご馳走してもらい、くつろいでいた。
〜オスト地区・レーグニッツ家〜
「ふむ、これが帝都名物のフィッシュ&チップスか。聞いていたよりも十分すぎるほど美味に感じるな。」
「ジャンクフードは今まで何度か食べた事がありますけど………こんなにも美味しいジャンクフードは初めてです。」
「うん、確かにあのお店、かなり美味しいみたいだね。」
ラウラとツーヤに地元の料理を褒められている事に嬉しさを感じたエリオットは笑顔になり
「まあ、味がいいのは認めるが所詮はジャンクフードさ。冷めたら驚くほど不味くなるのは変わらないんだがな。」
マキアスは苦笑しながら説明した。
「でも、戦闘レーションよりは遥かにマシだと思う。」
「はは、それを言ったら何でもマシになりそうだけど。……セレーネは大丈夫か?」
フィーの意見に苦笑したリィンは王宮育ちで高級な料理しか口にしていなかったであろうセレーネに心配そうな表情で尋ね
「はい。初めて食べる味ですけど、とっても美味しいです。」
尋ねられたセレーネは微笑みながら答えた。
「しかし、このコーヒーはかなり本格的で香りもいいな。さっき豆を挽いていたけど買い置きでもしているのか?」
「ああ、少し前に父さんが買い置きして行ったみたいだ。たまに公務の合間に戻ってきて休憩して行くみたいで……忙しい毎日での、ちょっとした贅沢のつもりみたいだ。」
「あはは……さすがレーグニッツ知事だね。」
「ふむ……好感の持てる方だな。この家も、帝都知事のような要職にある人物の自宅とは思えぬというか……」
「ぶっちゃけ小さいね。」
「フィー、あのな……」
はっきりと言ってしまったフィーにリィンは冷や汗をかいて呆れ
「?知事という役職はよくわかりませんが、フィーさんの仰る通りなのですか、お姉様?」
「え、えっと…………」
首を傾げているセレーネに尋ねられたツーヤは言い辛そうな表情でマキアスを見つめた。
「はは、言ったように正真正銘の平民出身だからな。帝都庁で出世してからもわざわざ生活スタイルを変えるほど父も僕も器用じゃなかったし。それに……こんな小さな家でも思い出がないわけじゃないからな。」
リィン達の様子を見たマキアスは苦笑しながら説明し、懐かしそうな表情をした。
「そっか……」
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