3部分:第三章
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第三章
「豚に直接聞いてな。どうだよ」
「豚と話せるかよ」
「そんなことが出来るかよ」
皆豚と直接話をすると聞いてすぐに手を横に振って否定した。
「そんな奴いたら呼んでくれよ」
「何処にいるんだよ」
「それがこのプロヴァンスにいるんだよ」
しかし彼はここでこう言うのであった。
「ロマニの婆さんでな。いるんだよ」
「ロマニのか」
「ああ。豚だけじゃなくてどんな動物の言葉もわかるらしいぜ」
彼は皆に対して話した。
「その婆さんに来てもらって聞いてみたらどうだよ」
「本当かね」
「さてな」
皆それを聞いても半信半疑だった。むしろかなり疑わしげであった。
「まあ試しにやってみるか」
「本当にできるんならな」
「どっちにしろこのままじゃ仕事にならないしな」
どちらにしろ何故豚達がトリュフを見つけなくなったのではどうしようもなかった。彼等にしても今は藁にもすがりたい気持ちなのだった。
それでだった。彼等はそのロマニの老婆を読んだ。黒いフードの付いた長いローブを着ており顔は皺だらけだった。おまけに腰は曲がっておりその姿はさながら。
「何だ?日本のアニメに出て来そうな婆さんだな」
「まんま魔法使いみたいだな」
「うむ、魔法も使えるぞ」
彼等の話を聞いた老婆はすぐに言葉を返してきた。
「実際に畑から見ると怪しい薬も売っておるしタロット占いもやる。何じゃったらペットの黒猫も連れて来てもいいのじゃがな」
「げっ、聞こえてたのかよ」
「耳はいいんだな」
「耳もよいし目もまだしっかりしておるぞ」
今の彼等の言葉もしっかりと聞いていたのだった。
「曲がっておるのは腰だけじゃよ」
「そうなのか」
「意外としっかりしてるんだな」
「実は腰ものう」
何とここでしゃんとしてみせるのであった。これには皆も驚いた。
「えっ、普通に立てるのか?」
「じゃあ何で曲げてるんだ?」
「ちょっと位ならこう出来る。じゃが流石に百歳も近いとしんどいものがあるのじゃよ」
「もう百歳なのか」
「何時死んでもおかしくないんだな」
「安心せい。百五十まで生きるわい」
しかも茶目っ気もあるようである。今度はこんなことを言うのだった。
「まだ五十年もあるぞ」
「それでその間何をするんだい、婆さんは」
「今回は豚の言葉を聞きにもらいに来てもらったけれどな」
「美味いものを食べて日本のアニメや漫画を見て楽しく過ごす」
フランスでは今も日本のアニメや漫画が人気である。この老婆もそれに親しんでいるというのである。
「幾ら何でもデュマやユゴーばかりじゃ飽きてしまうわい」
「まあそうだけれどな」
「しかし元気な婆さんだな」
「元気があれば何でもできるのじゃ」
今度はこんなことを言うのであった。
「では
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