第62話
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「ああっ……!マズったなぁ……。つい甲板に出ちゃったみたい。それにしても……馬鹿馬鹿しいほどの大きさね。」
甲板に出たエステルは改めてグロリアスの大きさを確認し、溜息を吐いた。
「脱出するためにはパラシュートを探すか飛行艇を乗っ取るしかない……。とにかく先に進まなくちゃ!」
そしてエステル達は先に進もうとしたが、甲板の下の階から数人の猟兵達がやってきた!
「いたぞ!」
「しまった……!」
猟兵達を見たエステルは反対方向へと引き返そうとしたが、既に反対方向からも猟兵達が現れ、エステルは包囲された。
「くっ………」
「フッ……ここまでのようだな。」
「さすがはS級遊撃士”剣聖”カシウスの娘か。こんな状況で脱走とは恐れ入る。」
「…………………」
「抵抗しても無駄なことは分かっているはずだ。大人しく投降するがいい。」
「はは、無様だな。エステル・ブライト。」
猟兵達に好き勝手に言われて黙っているエステルを嘲笑するような声がした後、新手の猟兵がやってきた。
「……?」
「フッ、この状態では僕のことが分からないか。仕方ない。特別に顔を見せてあげよう。」
自分を見て首を傾げているエステルを見た猟兵は仮面をとって顔を露わにした。
「えっと………見覚えはあるんだけど……ダルモア市長の秘書だった人だっけ……?」
見覚えのある顔の猟兵を見たエステルは首を傾げながら尋ね
「何でそんなに自信が無さそうなんだ!そう、ダルモア市長の元秘書ギルバートだ!自分が逮捕した人間くらいちゃんと覚えていたまえ!」
エステルの態度に怒った兵――ギルバートは怒りながら答えた。
「だ、だって意外過ぎるわよ!第一あんた、王国軍に引き渡されたはずでしょ!?なんでこんな所にいるわけ!?」
「フッ、クーデター事件の時、混乱のスキを突いて脱走してね。その後、”結社”に拾われて忠誠を誓うことになったのさ。」
「た、たくましいというか諦めが悪いというか……。そんな格好してるけど、まさか戦ったりするわけ?」
かつて対峙した時のギルバートの情けなさを思い出したエステルは呆れた様子で尋ねた。
「僕が戦ったらおかしいか?フッ、秀才の僕ではあるが、これでも文武両道なのでね。」
「でも灯台で、特務兵に撃たれてものすごい悲鳴を上げてたし……。あんまり戦いとかには向いてないんじゃないかなって。」
「う、うるさいッ!”結社”に加わってから僕は戦闘強化プログラムを受けた!身体能力は大幅に強化され、最高レベルの戦闘技術も習得した!遊撃士風情が勝てると思うなよ!」
エステルの指摘に焦ったギ
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