第58話
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見つめ
「あ……えへへ……ステラさんとヨシュアの姿が被っちゃって、勝手に涙が出て来ちゃった。ハーモニカを吹いているステラさんの姿……ヨシュアとすっごく似ているし。何でかしら?ヨシュアのお姉さんのカリンさんならまだわかるけど、ヨシュアのお姉さんじゃないステラさんとヨシュアが似ているなんて。」
ステラに声をかけられ、我に返ったエステルは涙をぬぐって苦笑した後不思議そうな表情で首を傾げた。
「え、えっと……他人の空似じゃないですか?それよりもさっきの私とヨシュアは、そんなにも似ていたのですか?」
「うん!さっきのステラさんを見てヨシュアが女装をした時を思い出したくらいよ。」
「え……?ヨ、ヨシュアが女装、ですか?一体どうしてヨシュアがそんな事を?」
ヨシュアが女装をした事があるという信じられない話を聞いたステラは冷や汗をかき、表情を引き攣らせた。
「えっと実は遊撃士の依頼でクローゼが通っている学園祭の出し物で劇をする事になってね。その時生徒会長のジルの提案で、男子と女子の本来やるべき役割を交換するって趣向でね。あたしとクローゼが騎士役をやって、ヨシュアがお姫様役をやったんだ!それと情報部の目を盗んで女王様に会う時にも女装をしてあたしと一緒にメイドになったの。」
「まあ……そんな事が。フフ、その場面を観れなかったのは非常に残念です。……あ。ハーモニカを返すのを忘れていましたね。」
エステルの説明を聞いたステラは微笑んだ後、エステルにハーモニカを返した。
「そう言えば……ステラさんはヨシュア達の昔の事を知っていたけど、もしかしてステラさんもその”ハーメル”って所に住んでいたの?レーヴェと幼馴染って事はヨシュアやヨシュアのお姉さんとも幼馴染だったんでしょう?」
「うっ。そ、それは……」
エステルの疑問を聞いて唸り声を上げたステラが言葉を濁していたその時
「あれ?何か近づいて来ていない?」
「え……?」
何かに気づいたエステルの言葉に呆けた後エステルと共に湖を見つめると、人が倒れているボートが桟橋に近づいてきた。
「クルツさん!?」
ボートの中で倒れているクルツを見たエステルは驚き
「と、とにかく引き上げて治療をしないと……!私は皆さんを呼んできます!」
「うん、お願いっ!」
そしてステラは慌てた様子で助けを呼びに行った。
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