第58話
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れ戻すって思い込んだこともあるけど……。さすがに、そんな無茶が本当にできるとも思えないし……。正直言うと、あたしの言葉はヨシュアに届かないかもしれない。」
ステラに尋ねられたエステルは悲しそうな表情で答え、溜息を吐いた。
「それが分かっていても……ヨシュアを追いかけるんですね?」
「うん……。ヨシュアの背負った事情とかあたし自身の至らなさとか色々なことを考えたんだけど……。結局、いくら考えてもヨシュアに何て言ったらいいか思いつかなかったの。だから―――その言葉は会ってから見つけることにする。」
「え……」
エステルの答えを知ったステラは驚いた様子でエステルを見つめた。
「だって、あたしの想いはあたしだけのものじゃないから。ヨシュアと一緒にいる間に自然と育ってきたものだから。だから……ヨシュアに会えたら初めてそれは浮かんでくると思う。あたしだけが伝えられるヨシュアへの言葉を―――」
「………………………………」
「だから、会えないうちからウジウジ悩むのは止めにしたの。えへへ、さっきみたいに感傷にひたることはあるけど……。それは乙女の特権ということで同じ女の子同士、勘弁してくれないかな?」
「………………………………」
照れた表情で自分を見つめるエステルをステラは呆けた表情で見続け
「フフ、ヨシュアには本当に勿体ないくらい、素敵な女性ですね、エステルさんは……カリンも大切な弟がこんな素敵な女性に思いを寄せられる事を知れば、きっと喜ぶでしょうね。」
やがて優しげな微笑みを浮かべてエステルを見つめた。
「ア、アハハ……幾らなんでもそれは褒めすぎだって。」
「フフ…………そうだ、お礼になるかどうかわかりませんが、そのハーモニカを貸してもらえませんか?エステルさん。」
「あ、うん。別にいいけど……」
「フフ、ハーモニカを吹くのは本当に久しぶりですから、下手になっていたらごめんなさいね?」
渡されたハーモニカを手に持ったステラはエステルに視線を向けて苦笑した後懐かしそうな様子でハーモニカを見つめた後エステルが先程奏でていた曲――――『星の在り処』を吹き始めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
(あ…………………)
ステラが吹いている姿がヨシュアと被ったエステルは呆けた後ジッとステラを見つめた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
そしてステラは決して間違える事無く、『星の在り処』を吹き終えた。
「フウ。久しぶりでしたけど、意外と吹けるものですね……え。エ、エステルさん!?どうしたんですか!?」
自然と涙を流して自分を見つめるエステルに気付いたステラは驚いてエステルを
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