【禍風の槍】聖域の雷VS禍風の槍
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
シーカーは一人、新生アインクラッド第三層【迷い霧の森】に立っていた。
『ライトよ、今回の仕事はなんだ?』
シーカーの肩に乗る、ジンが質問をする。
「知るかよ。第一知ってたら断るっつうの」
シーカーは気だるげにその手に持つ槍を振る。
霧の中でも緋色に輝くその槍の銘は【霊槍・烈火】。シーカーが仕事で愛用する武具の一つだ。これで刺し殺した相手は数知らず。本来は綺麗な色をしていたが、血に濡れ、その色を変化させた。
烈火を振るいながら、シーカーは言う。
「ったくよぉ……。毎回毎回こう呼び出されたらたまんねぇぞ。前回なんか獣っぽいプレイヤーとやりあったり刹那ともやりあったんだぞ此方は」
『戦闘経験は積めば積むほどその人間を強くする。戦っていても損は在るまい』
「そうだな……」
シーカーは一つ息を吐くと、開けた場所に出た。
霊槍・烈火の元々の銘【業火】の入手場所、最深部だ。
ここで一度、黒騎士二体を相手に業火を振るい、倒したことがある。
「……今回の場所は此処で合ってるんだよな」
シーカーは辺りを見回すと、不自然な人物を見付けた。
「……何だあいつ」
シーカーはその目で人物を睨むと、その視線に気が付いた様に振り向いた。
「おっ、やっと来たさね」
地面に刺していた槍を引き抜き、言う。
見た目は若そうだが、並々ならぬ気迫を感じる。その手に握る槍を見て、シーカーは確信する。
(コイツ……相当やるな)
何より、半裸なのだが刺繍が施されている。それがより一層シーカーを警戒させる。
「……お前が、グザか」
「ヒハハ、そうさね」
人物ーーーグザは肯定する。
『世界』からの依頼は一つ。迷い込んできた異界人を元のところに送ること。
名前は事前に聞いていたから判ったが、姿等は聞いていなかった。
「結構やるそうだな、あんた」
「おお?判るかい?」
「その雰囲気と良い、その槍と良い、そして俺を目の前にしてもそのふざけた態度をする……OK、気に入ったぜ」
シーカーは笑う。そして、一歩を踏み出した。
『ーーーっ!!ライト!!』
ジンの制止を振りきって、第一段階を解放。雷を纏って突貫したがーーー。
「おおっと、いきなりさね」
掴んだ。グザが、素手で。
確かに、不意打ちだった。シーカーの速度は常人には殆ど見えていないはず。しかし実際グザは掴んで見せた。つまりーーー。
「……成る程、見立ては悪くなかった訳か」
「ヒハハ、誉め言葉として受け取っとくよ」
お互いに笑い、そして。
「「イイイッヤッ!!」」
ローキックを互いにぶつけた。
互いに離れ、槍を構える。
「効いたぜ、さっきの」
「お互いに効くね、こりゃ」
先に仕掛けたのはグザ。一歩を踏み出した時点で、シーカーの視界から消えた。
「そこだっ!!」
しかし、長
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ