アインクラッド編
9.卵を取りに行こう!
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シルストの絶叫が響くなか、アルトは地面に着地した。
「うわおっ!」「大胆ね」「お前面白ぇな!」「すごーい・・・!」「シルストに殺されそう」
口々に呟かれる感想をさらっと聞き流し、アルトはシルストをストンと地面に降ろした。
「アンタ覚えとれ・・・」
「後にしてくれ」
すぐに武装を元通りにし、アルトはミーシャに問いかける。
「やるのか、やらないのか」
「んー・・・」
上空で旋回しながらこちらを警戒する黒鳥――――名前は≪Crow of dusk≫、宵闇のカラスだった――――をミーシャは見やる。
「ナツ!今日の夜ご飯はチキンライスでいい?」
「それ俺が作るんですよね・・・了解ッス。作ったことないッスけど」
ナツが苦笑すると、ミーシャは「よろしい!」と笑って、片手剣を抜いた。攻撃体勢に入ったのを見たのか、カラスは一声鳴いて猛然と此方に突っ込んでくる。
「ちゃっちゃとやってちゃっちゃと帰るよ!」
ステップ回避で華麗に攻撃を躱すと、ミーシャはお返しとばかりにソードスキル≪スネーク・バイト≫を叩き込む。了解!と真っ先に返事をしたのはリヒティで、弱点っぽい嘴を狙うが、流石に簡単に食らってはくれなかった。翼を打ち鳴らし、アンたちと距離をとる。
「やっぱりやるのか・・・」
「当たり前よ。ミーシャじゃけんな」
「そうねぇ」
呆れた様子を滲ませながらも、≪夜桜唱団≫は全員戦闘体勢に入った。
***
「そういえばさ」
無事カラスを狩り終えた帰り道、ふと思い出したようにリヒティがアルトに話し掛けた。
「さっきお前すげぇ動きしたよな。なんだったんだあれ?」
「・・・木の上の話か」
「あっそれ私も気になる!」
アルトは興味津々のリヒティとミーシャをどこか面倒くさそうに見た。だが答えないつもりではないらしく、軽く溜め息をついて口を開く。
「軽業スキルだ。自分にかかる重量を少し軽減する。システムアシストもある」
「へぇ〜」
アンは思わず声を出して感心した。軽業と聞くとバク転なんかができるようになるスキルだというイメージを持っていたため、重量を軽減できることは知らなかったのだ。
「結構便利なんだね」
「ちゃんと答えるんじゃなぁ痛い痛い!やめてクリスやめて!」
「悪い子ねぇシーちゃんったら。そんなこと言ったらいけません」
アルトに毒を吐いてクリスティナに頭をぐりぐりされるシルストを見て、アルトは呆れていた――――ように見えた。
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