第25話 プール掃除にて
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くしはその場にいなかったので詳しくは分かりませんが、お礼を言いたいそうですわ」
へぇー、この学園都市にそんな骨のある男がいるのね
まあ、知り合いでいないことはないが
髪がツンツンとした奴とか
余計な気遣いばかりするアイツとか
電撃を打ち消すアイツとか
かわいい後輩が困っているなら先輩として助けないわけにはいかないわね
「もう少し詳しく特徴を」
「はい......」
助けてくれた赤い髪の男性の特徴
燃えるように赤い髪
ブカブカの黒い服。赤いまだら模様がプリントされていた
巡回ロボットを落として助けてくれた
「歳はどのくらい?」
「わたくしと同じくらいか少し上に見えましたわ」
てことは中学生くらいか
ツンツン頭のアイツじゃなさそうね
中学生でそんな奴は知らないわー
「お姉様!お姉様!」
「ん?どうしたの黒子?」
背後から白井が御坂の背中に伸びている裾を掴んで引っ張っている。
何かに気づいたかのように顔を引きつらせている。
「ひ、ひょっとしますと......サソリではないかと」
............
えっ!?
ま、まさか!
もう一回、特徴を整理してみる。
赤い髪
ブカブカの黒い服
当てはまっている
サソリなら全部合うわ
掃除の時にかいた汗ではない、汗が頬を伝う。
「ちょっと乱暴な口調じゃなかった?」
「そうでしょうか......すみません、少し驚きましたのであんまり覚えてませんが......名前も告げずに走り去っていきましたの」
「えっと、一人だけ心当たりがあるわ」
御坂がおそるおそる言った。
「まあ、知っているんですか?」
女性は涙を拭いて、両手をポンと叩いた。
うーむ、驚きの仕草も完璧なお嬢様だ。
「うんまあ、あたし達の知り合いに居る感じね。そんな特徴を持っているのは」
「その方は、今どちらに?」
「えっと、ちょっとケガして入院しているわ。でも、そんな事をやるタイプだったかしらね」
指を顎に持ってきて、考える素振りを見せる。
女性の血の気が引いた。
御坂の肩を掴むとブンブンと前後に揺する。
「ケガですか!その、大丈夫でしょうか?」
「だ、だだ大丈夫よ!落ち着いて」
ハッとしたように御坂から手を離してペコペコと頭を下げる。
「うう、以外にタフな奴だから。今日にも見舞いに行きたいけどプール掃除がね」
「良かった......ですわ」
ホッとしながらも恋する女性のように頬を赤らめている。
かわいいじゃないの
うわー、少女コミックの主人公みたいだわ
ふわふわとしていて、なんつーか守ってあげたくなる姿や態度ね
常盤大中学のプールは、水泳の授業だけでなく能力測定の緩衝材としても使用しているので普通の一
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