第25話 プール掃除にて
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身がそれを望んでいない気がした。
「そうですか......サソリも」
初春に御坂さん、白井さん、サソリ
みんながあたしが眠っている間に何が起きたのか分からない
けど、みんなが居て、頑張ったからあたしが目覚めることができた
期待を裏切ったのに、ズルをして能力を手に入れようとした自分を責めることもしない
夢の中で仮面を被った自分が言っていた事。
なんて自分勝手な女の子なんだろうね
何も出来ないクセに
周りに迷惑ばかり掛けて
きっと軽蔑しているんじゃない?
初春も御坂さんも白井さん、サソリも
今はその言葉を打ち消す材料が揃っていた。
妙に嬉しくて、自分がいかに弱いのかを知らしめられ、悔しさにポトポトと涙が溢れていく。
「えっぐ、えっぐ......ありがとう...... あり......がとう」
「佐天さん?!」
初春を優しく抱きしめ返した。
ずっと会えないと思っていたのは初春だけではない。
佐天だってその恐怖を味わった。
世界に拒絶され、少しの能力開花に喜んだら絶望に叩き落とされる。
でも、叩き落とされても助けてくれる人は必ず居てくれる。
初春、御坂さん、白井さん、サソリ
そして......サソリのお母さん
「怖かっよぉぉぉ!?いばる!もう会えないがど思っだよぉぉぉぉ!」
嗚咽を上げながら佐天は子供のように泣き出した。
迷子になって、暗くなっていく道を懸命に走りながら帰り道を必死で探している。
そこで懐中電灯を照らした初春達が見つけてくれた。
「おかえりなさい!佐天さん!」
息を切らしながら懐中電灯を照らす初春。
ホッとしたように微笑む御坂さん。
汚れながらも、ボロボロになりながらも学園都市の治安を守っている白井さん。
後ろで、面倒そうに頭を掻いているサソリ。
「ただいま!」
******
学園都市のビルの屋上に白と黒の半身のような姿をした奇妙な男が二人立っていた。
一方は石膏を掛けられたかのように真っ白な体表をしており、もう一方は夏場の日差しを受けた影のように真っ黒な色をした身体をしている。
どちらも不気味に光る黄色の眼を持っていて、顔の半分が火傷して癒着しくっ付いたようになっていた。
「失敗したね。任せろと言ってたのに格好悪いね」
「黙レ!邪魔サエ入ラナケレバ......」
白い半身が鋭利に尖った歯を揺らしながらケタケタと笑った。
その言葉に黒い半身は、耳まで裂けた口を震わしながら反論する。
「あははは、負け惜しみって奴?」
「......何故、コノ世界ニサソリガ居ル?」
「死んだはずだよね。どうする始末しちゃう?」
「イヤ、眼ノ事ヲ考エルト、迂闊ニ手ガ出セン」
サソリに開眼した新たな脅威
万華鏡写輪眼という存在に
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