外伝〜漆黒の剣士、ジューダスの軌跡〜
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ンやフォルトゥナという方達も滅んだというのに、何故私達の世界で甦ったのでしょう……?」
「フン、それは僕が聞きたいくらいだ。」
重々しい様子を纏って呟いたジンの言葉にシェラザードは苦笑しながら頷き、クローゼの疑問を聞いたジューダスは鼻を鳴らした。
「……どうして貴方ばかり、そんな辛い目に………”2度”も死を迎えるなんて……やっぱり全て私のせいね……」
「マリアン………」
するとその時壮絶な軌跡を描いたジューダスの一番の原因が自分である事に気付いて辛そうな表情で顔を俯かせているマリアンをメイベル市長は心配そうな表情で見つめた。
「……………いや。君のせいじゃない、マリアン。全て僕が選んだ”道”だ。」
「でもっ!貴方がそんな道を選ぶ事になった一番の原因は………!」
ジューダスの言葉を聞いたマリアンは涙を流した顔を上げて悲しそうな表情でジューダスを見つめたその時
「―――マリアン。僕はスタン達を裏切り、死を選んだ事……その事に後悔はしていないし、僕は僕の信念を貫き通した。何度同じ選択を迫られようと答えは変わらない。」
ジューダスは静かな表情でマリアンを見つめた。
「どう……して……私の為に………そこまで……」
「………………………」
涙を流すマリアンに見つめられたジューダスは目を伏せて黙り込み、マリアンの問いかけに答えず話を続けた。
「それに『ジューダス』として生きた僕は”幸せ”だった。カイル達との旅でのやり取り……僕がスタン達を裏切った『リオン・マグナス』であると知ってもなお、カイル達は僕を『ジューダス』として……仲間の一人として受け入れてくれ……僕は『ジューダス』としてカイル達と共に最後まで戦えた。裏切り者である僕が手にするには大きすぎる幸せだ。それが手に入ったんだ。悔いはない。」
「エミ……リオ……………」
「―――だから僕の人生に君が罪悪感を持つ事はない、マリアン。」
そしてジューダスが優しげな微笑みを浮かべてマリアンを見つめたその時
「……うう………ああっ……………うああああああっ……………!」
ジューダスの微笑みで自分が背負った一生許される事のないはずの罪を許されたかのように感じたマリアンはジューダスの胸の中で涙を流して大声で泣き続けた。
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